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次期日銀総裁にイングランド銀行のタッカー副総裁が候補に!英ファイナンシャルタイムズ紙

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政府、日銀の協力なければ日銀法改正
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今年4月8日、日銀の白川総裁の任期満了に伴う総裁人事は、安倍新政権の最重要課題であるデフレ脱却に向け、重要人事として注目されます。日銀総裁人事は衆参両院の同意が必要となり、参院では自民・公明が102議席と過半数の118議席に届かず、他党との協力も欠かせません。
安倍首相は、政府がインフレ目標を設定し、日銀へ協力を要請する考えですが、意見が異なる場合には「日銀法」も改正と強い意志を示します。日銀はこれまで15年もの間、デフレ脱却に効果的な金融施策には消極的だった経緯もあり、思い切った総裁、副総裁人選が検討されています。

イングランド銀行(英中央銀行)総裁にはカナダ中銀のカーニー総裁が就任決定
英ファイナンシャルタイムズは昨年11月、日銀総裁の後任にイングランド銀行のタッカー副総裁を名指しであげ、日本はデフレ脱却に決め手が打てない今の時点で、外部の新鮮な考えを注入するべきと報じました。
一方イングランド銀行は、今年7月にカナダ人のカーニー現カナダ中央銀行総裁の就任が決定。デフレ脱却経験のある他国中央銀行総裁が、金融施策のイノベーションに期待がかかります。一見冗談ともとれそうですが、デフレ脱却が進まない日本は、これくらいのインパクトのある人選をしなければGDP2%成長は達成できないと海外では見てるのでしょう。

安倍首相、次期総裁は「我々の考えに賛成してくれる方」
カーニー氏は平成20年にカナダ中央銀行総裁に就任。同年のリーマン・ショック後の世界的な金融危機も銀行を1行も破綻させず経済を安定させ国際的にも評価されました。英国では、景気低迷に有効策を打ち出せないイングランド銀行への不満が強く、英政府は次期総裁に優秀な人材を選ぶよう圧力を受けていました。
安倍首相は、次期日銀総裁の条件として「我々の考えに賛成してくれる方」と、インフレ目標や大胆な金融緩和に理解のある人を選ぶ考えで、英国では、まさにそれが実行されて成果を挙げています。

3月には副総裁も任期満了、福田政権下の総裁人選混乱もデフレの一因
日銀総裁人事の前、3月19日には二人の副総裁も任期満了を迎えます。デフレ脱却に向けた強い姿勢を国内外へ示すためにも総裁とのバランスも重要となります。平成20年の福田政権下の日銀総裁人事では、野党だった民主党が政府の人事案をことごとく否定。総裁の椅子が一時的に空席となる最悪の事態を招きました。
日銀総裁人事は、内閣に任命権があり外国人の起用も可能で、ウルトラC的な人選も非現実的ではありません。すでに財務省出身者や学者などの名も上がっており、長年続くデフレを本気で脱することを実行できるのか新政権の総裁・副総裁の人選が注目されます。

[2013.1.5]

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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
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