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パナソニック:2年連続で巨額赤字!汐留ビル、「SANYO」デジカメ事業売却で資金調達

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パナソニック:24年度中に汐留ビル売却
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業績悪化が報じられているパナソニック株式会社(大阪府門真市大字門真1006番地/取締役社長:津賀一宏氏)が、今年度中にも東京都港区東新橋の「パナソニック東京汐留ビル」を売却する方向で検討しているとのことです。
東京汐留ビルは、平成15年に旧松下電工(現パナソニック)の東京本社ビルとして完成。現在は環境事業関連など約2000人が勤務しています。今秋、同区芝公園の旧東京本社ビルから東京本社機能を移したばかり。東京汐留ビルは売却後、賃借して入居する計画のようです。深刻な業績悪化を受け、東京汐留ビルのほか、1棟を借りている大阪市中央区の「パナソニック大阪京橋ビル」も13年5月末で解約するなど、保有不動産の売却も含めて約2,000億円の資金を捻出する方針です。

2年連続巨額赤字計上!ムーディーズ格付2段階引き下げ
パナソニックは10月、13年3月期の連結最終赤字が7,650億円に上る見通しを発表。前期は7,721億円と製造業で過去最大規模となる赤字を計上したばかりですが、2年連続の巨額赤字となります。
ムーディーズ・ジャパンは11月20日、同社の格付けを2段階引き下げました。もう1段下がれば「投機的」水準です。これまで、銀行融資による資金調達は戦後の混乱期にしか行ったことがないとのことですが、それも時間の問題といえる状況にまで追い込まれています。

SANYOデジカメ事業も売却
パナソニックは不動産の売却のほか、投資の抑制や在庫圧縮などで資金確保、財務基盤強化を行い、合理化を加速するとしています。
12月12日には、子会社の三洋電機のデジタルカメラ事業も、今年度内にも投資会社、アドバンテッジパートナーズ(東京都港区虎ノ門4‐1‐28/代表パートナー:笹沼泰助氏、リチャード・フォルソム氏)に売却する方向で最終調整に入ったことが分かりました。三洋のデジカメ事業を担当する三洋DIソリューションズ株式会社(大阪府大東市三洋町1‐1/代表取締役社長:西山隆男氏)の全株式と傘下のインドネシア工場を売却し、売却額は数億円となる見通し。社員約700人の一部はグループ内に配置転換し、残りをアドバンテッジが引き継ぐ方向です。

「高品質かつ低価格」を貫いていたSANYO
パナソニックは平成21年の三洋買収後、同社の不採算事業などの整理を進めてきました。これまで難航していたデジカメ事業の売却が成立することで、事業統合・整理にメドがつくと見られています。
「高品質かつ低価格」を貫いていたSANYOを贔屓した消費としては、経済合理性の外側にあるブランドの歴史や理念を大切にしてほしいとも思っていましたが、現在のパナソニックにそれを求めるのはやや酷でしょうか。

[2012.12.18]

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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
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