AEON×SAPPORO「100円ビール」発売開始/PBならではの低価格で需要拡大
イオンPB 「国内産」第3のビール発売開始/サッポロと共同開発
イオン株式会社(千葉県千葉市美浜区中瀬1-5-1/取締役兼代表執行役社長、グループCEO:岡田元也氏)は11月26日、サッポロビール(東京都渋谷区恵比寿4-20-1/代表取締役社長:寺坂史明氏)と共同開発したプライベートブランド(PB)の第3のビール「サッポロ みがき麦」の発売を開始しました。総合スーパーのイオンやマックスバリュなどグループ約1,700店舗とオンラインショップで取り扱われています。
みがき麦は、麦芽を粉砕後、殻皮を取り除く製法で、麦のうま味を味わえるとのこと。既に味見を済ませた知人は「スカッとして、しっかり飲み応えがある」と、なかなかの高評価です。
驚愕の「ワンコイン」1缶100円
しかも、驚くべきはその価格。1缶(350ミリリットル)100円と、遂に缶ビールがワンコインで買えることになりました。
イオンが扱う大手メーカーのナショナルブランド(NB)の第3のビールの店頭価格は1缶110~120円程度ですが、それらの商品より約1~2割安く、国内大手メーカーの商品としては最安値。サッポロビールの仙台工場(宮城県名取市)と工場で製造し、500ミリリットル缶(140円)とあわせて、350ミリリットル換算で年間4,000万缶の販売を見込みます。
7&IもPBビール投入/廉価商品で需要拡大
ビール類の販売は近年低調が続いていますが、第3のビールは成長を続けている分野。イオンのPB商品では既に、韓国メーカーに生産を委託した第3のビール「トップバリュ バーリアル」が88円で販売されています。今回、日本人の好みにあった製法技術を持つサッポロによる「国内産」商品を投入することで、より幅広いニーズに対応できることになります。
流通大手では、セブン&アイ・ホールディングス(HD)も11月27日から、同じくサッポロが手がけるPBビール「セブンプレミアム100%MALT」を、NBより約1割安い1缶198円で発売開始しています。PBだからこその低価格を武器に、需要の拡大を図ります。
デフレスパイラル、モラルハザード 「消費者最優先」の弊害懸念
「うまいビールを安く飲める」とは、消費者にとっては嬉しい限り。イオンは「常に消費者の立場を最優先」した商品開発及び販売戦略を謳っており、今回の「100円ビール」の実現も、さすがの一言に尽きます。
ただし、この先に懸念されるのは価格競争の激化。メーカーも小売業者も消耗するばかりとなってしまえば、景気回復は遠退きます。
また「水より安くビールが買える」という事実が、飲酒によるトラブルや未成年の飲酒増加といったモラルハザードを引き起こさないよう、警戒しなければなりません。
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[2012.12.11]
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