オリンパス・ウッドフォード前社長の解任劇が映画化!?暴かれる日本企業の常識と体質
映画制作会社:「事件は驚くべきストーリー、ウッドフォード氏も魅力的」
精密機器大手・オリンパスのM&Aを巡る巨額支出疑惑や粉飾決算を追求したウッドフォード前社長が解任されてから1年が過ぎ、事件の映画化が英国で進んでいることが米メディアのインタビューで明らかになりました。英映画・テレビ番組制作会社のインク・ファクトリーは「オリンパス事件は驚くべきストーリーでウッドフォード氏は魅力的な人物」と映画化への強い意欲を示しています。
映画界では、平成13年に粉飾決算で経営破綻した米エネルギー大手のエンロンや、労働環境が問題視された米流通大手のウォルマートなどドキュメンタリー映画が製作されましたが日本企業の映画化の前例はありません。
解任は告発者ではなく企業の体質と日本の文化が理解できなかったため?
ウッドフォード氏は、オリンパスの社長に就任し半年で解任。会社側は、同氏を厄介な告発者だから解任したのではなく、日本の企業の体質と文化を理解できなかったためと主張しました。世界の中で日本企業は会社への忠誠心や年功序列、終身雇用が常識とされてきましたが、グローバル化がすすむなかこれらの特徴も崩れかけてきています。
家電メーカーや半導体の失速や企業トップの背任や私物化など日本企業への信用が失墜しかねない報道が日々流される状況に、特異な企業体質の改善の契機が訪れています。
財務の不正防止策、意識改革だけでは不完全
企業では、監査法人との連携や社外取締役の充実、監査役の意識改善など財務の透明化を目指しますが、これでも「飛ばし」などの粉飾決算や「先送り」は防げるものではありません。いづれも企業からの報酬で賄われているもので、不正防止には第三者機関からの報酬に変えるなど思い切った変革も必要になります。
オリンパスはバブル時代、投資の損失を10年以上「飛ばし」と呼ばれる不正会計処理で隠蔽。ウッドフォード氏は、経済誌の告発記事を幹部に問い出したため解任されました。
ウッドフォード氏、映画の宣伝?米メディアで日本企業の体質暴露
ウッドフォード氏は、今年4月に事件をつづった「解任」を出版。この本が元になり映画化される可能性が高く、プロモーション目的かここ数日、CNNやウォールストリートジャーナルなど米メディアに登場。「上場1,000社以上に社外取締役がいない」、「素晴らしい技術を持つが経営はお粗末」など日本企業に警鐘を鳴らします。
欧米の視点で見た映画となれば、日本企業は「世界の非常識」と暴かれ、企業も根本的な変革を起こさなければならない時期にきています。日本の閉ざされた一部企業では、忠誠心に縛られ従業員や株主からの声も届かない状況は、政治にも言えるでしょう。
[2012.12.3]
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