コンビニ国内店舗数5万店突破!新たなターゲット取り込み「限界なくなった」/集客支えるPB商品
コンビニ売上高13ヶ月連続プラスに/既存店は微減
日本フランチャイズチェーン協会が発表した平成24年10月度におけるコンビニエンスストアの統計調査月報によると、1年以上営業を続けている既存店の来店客数は5カ月連続でマイナス。店舗売上高も同じく5カ月連続のマイナスとなりました。(共に前年同月比)
既存店ベースではマイナスを継続する結果となっていますが、1年以内に開店した新規店を含める全店ベースでは、売上高は2.1%増で13ヶ月連続のプラス。来店客数も2.9%増で19ヶ月連続のプラスを記録しています。
過去最多レベル!出店ラッシュで国内店舗数5万店突破
この背景には、大手コンビニチェーンの出店ラッシュがあります。業界紙「コンビニエンスストア速報」によると、コンビニチェーン15社・グループ(加盟100店以上)の店舗は10月末で計5万101店。9月末からの1ヶ月間で185店もの増加となり、遂に5万店を超えました。セブンイレブンが今年3月からの2年間で2,850店の新規出店を打ち出したのをはじめ、大手は過去最多レベルの出店を続けています。
「限界なくなった」女性・高齢者も惹きつける品揃え
コンビニが利益を出すには、店の周辺に平均2,500人の住民が必要だという試算があり、これまでは国内での出店は5万店が限界だとされていました。ところが、東日本大震災の被災で、復旧が速いコンビニの利便性が見直されています。
客層も、若い男性から女性、高齢者まで広がっています。惣菜や生鮮食品などの品揃えを充実させることで新たなターゲットも取り込めるとして、「投資余力のある大手にとっては、出店する限界がなくなった」とも考えられています。
PB商品充実で集客力強化
ターゲットの広がりから、コンビニの取扱商品も多様化しています。消費者の低価格志向が強まるなかで、各社競って導入しているのが、食品や飲料などのプライベートブランド(PB)です。メーカーの自社ブランド商品がナショナルブランド(NB)に対し、小売業者などが企画・開発した商品を指します。
コンビニのPB展開の先駆けとなったセブンイレブンの「セブンプレミアム」は平成19年8月、調味料など6品目から始まりましたが、現在では商品の約3割、800品目にまで増加。売り上げに占めるPB比率も1.8%(平成20年度)から7.1%(23年度)を占めるまでに。ローソンは平成22年7月から「ローソンセレクト」を展開し、現在300品目に増加。ファミリーマートも10月末から新PB「ファミマコレクション」を順次導入し、今年度中に500品目を投入するとしています。
PB受託にメーカー側も意欲
PBは、卸を通さず広告宣伝費もあまりかけないため、店頭での販売価格はNBより割安。製造委託先のメーカーとの交渉で仕入れ価格を抑えられ、発注する小売り側の利益率も高いため、各社商品の充実を急いでいます。
また、ブランド力に乏しいメーカーにとっては、チェーン店の店頭に並ぶ商品が確実な収入に繋がるとして、PBの製造受託を目指す企業も少なくありません。コンビニのPB合戦の進展により、製造業界でも.トップの入れ替えが起こるかも知れません。
[2012.11.27]
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