JR東日本:復興需要で経常利益過去最高を更新/新線開業、新駅設置、新幹線の海外輸出も加速の方針
JR東日本:2年ぶりの増収増益/復興需要で経常利益は過去最高を更新
10月30日、JR東日本(東日本旅客鉄道株式会社/東京都渋谷区代々木二丁目2番2号/代表取締役社長:冨田哲郎氏)は平成24年9月中間決算を発表しました。
東日本大震災の影響で鉄道利用が落ち込んだ前年同期の反動などから、JRグループは全体的に増収増益を示していますが、JR東日本は、主力の運輸収入が前年同期と比べ9.0%増となり、2年ぶりの増収増益。経常利益は中間決算として過去最高を更新しました。
この理由として、東北新幹線が被災地の復興関連のビジネス需要などで利用客が増えたことなどが示されています。
東京圏ネットワークの充実/新線開業、新駅設置構想
JR東日本は同日、平成32年までのグループ長期経営構想も発表。このなかで、東北縦貫線の開業や北陸新幹線金沢開業・北海道新幹線新函館(仮称)開業といった大プロジェクトへの取り組みを挙げ、東京圏のネットワークの更なる充実を掲げています。
また、在来線で、新たな需要が開拓できる場所に地元自治体とも連携して新駅を設置することなどが示されました。
記者会見では。冨田社長が新駅設置について「具体的な場所はまだ公表できない」としながらも、複数の候補地があることを語り「戦略的に取り組みたい」と意欲を見せています。
耐震補強に3,000億円投入/ホームドア設置スピードアップ
経営構想にはこのほか、「究極の安全」と銘打って、災害対策や死亡事故防止など、安全性向上に向けた施策も盛り込まれました。
首都直下地震などを想定し、総額約3,000億円の耐震補強対策を推進。重点的な整備期間を今後5年間としています。
また、山手線の駅ホームドアの設置について、整備のスピードアップを明言。当初計画より2年前倒しして平成27年度までに、東京や新宿など6駅を除いた23駅で完了させる計画です。
より速く!より広く! 東北新幹線360キロ/海外からのインフラ受注も加速
東北新幹線は来年春、時速320キロ運転の実現が予定されています。しかしJR東日本はここに止まらず、東北新幹線の時速360キロの高速化を目指すとのこと。さらには、海外への鉄道輸出を強化するため、現在のニューヨーク、パリ事務所に加え、ブリュッセルにも事務所を開設し、シンガポールにも拠点を置く方針も盛り込み、積極的な姿勢を見せています。
冨田社長は構想発表の会見で「鉄道事業は内弁慶になりがちだが、無限の可能性に挑戦したい」と強調。鉄道事業に限らず、経営者たるもの攻めの経営姿勢を持ち続けたいものです。
[2012.12.8]
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