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世界の「都市力」東京、4ランクアップで10位獲得!足引っ張る「産業・生活のコスト」は日本の課題

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調査対象27都市、1位はニューヨーク
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国内最大の監査・税務のコンサルティングファームであるプライスウォーターハウスクーパースは10月12日、米Partnership for New York Cityと共同で「Cities of Opportunity(世界の都市力比較2012)」を発表。全27都市の総合評価で1位はニューヨークが獲得。東京は、昨年から4ランク上昇し10位となりました。
同レポートは、世界の産業や金融、文化の中心となる主要27都市の「都市力」を調査。平成23年と24年に収集したデータをもとに、10の領域と60の変数を用いて分析しランキングを公表しています。

▼調査対象の27都市
アフリカ:ヨハネスブルグ
アジア・パシフィック:ソウル、東京、北京、上海、香港、シンガポール、ムンバイ、シドニー、クアラルンプール
ヨーロッパ:ロンドン、パリ、ベルリン、ストックホルム、モスクワ、マドリード、ミラノ
中東:アブダビ、イスタンブール
北米:ニューヨーク、シカゴ、ロサンゼルス、サンフランシスコ、トロント、メキシコシティ
南米:サンパウロ、ブエノスアイレス

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東京の高評価「交通・インフラ」「テクノロジーの水準」
東京の都市力の10領域を見ると、「交通・インフラ」では4位、「テクノロジーの水準」で6位と高い評価を獲得。また「都市の国際性」や「ビジネスのしやすさ」、「知的資本・イノベーション」、「経済的影響力」の4領域でもトップ10にランクされました。
60の変数では、「ソフトウェア開発とマルトメディアデザイン」や「医療システム」、「世界トップ500企業の本社数」、「破綻処理体制」において1位を獲得、高い評価を得ています。東京は平成32年のオリンピック誘致に向け鉄道や道路などインフラ整備を進め、国も医療などを成長戦略とし、都市力の向上はさらにレベルアップします。

都市力の評価に必要?「自然災害のリスク」は最下位
一方、「産業・生活のコスト」の領域では、昨年の21位から27位と最下位に後退。他の都市のコストレベルへは改善されず、国際競争力の弱さが露呈されました。グローバル経済が進み、貿易自由化により「人、モノ」が世界中を流通する時代に、低賃金の労働力に桁違い大量生産ではかないません。
また、「接続可能性と自然環境」の領域も19位と下位にランク。この中の変数「自然災害のリスク」は、昨年に引き続き今年も最下位となり、総合評価を後退させる要因となりました。自然災害は防げませんが、被害を最少に抑える技術やシステムの整備強化など、新たな変数も必要でしょう。

13年後の予測:雇用、生産性で伸び悩みに?
アジアの都市力では、シンガポールが7位と最上位を獲得。シンガポールは都市の魅力を高めることを国の戦略に掲げており、そのノウハウを海外へも輸出しています。金融市場の成熟度ではニューヨーク、ロンドンに次いでおり、環境や自然災害の少なさ、国際会議の多さが高評価されています。
同レポートでは、5つの仮定に基づき平成37年の雇用や生産性を予測。東京やニューヨーク、ロンドンなど成熟都市では、成長が見られる結果となっている一方で、労働力の代替えとなる技術の導入や保護貿易が拡大し、雇用や生産性が伸び悩むとの予測もたてています。進まぬ自由貿易や産業空洞化、成長産業への移行など東京だけでなく日本の課題を突き付けられているようです。

[2012.10.29]

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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
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