日本人の宇宙初飛行から20年~記念シンポジウム開催:JAXA/国際的に存在感高まる日本の宇宙開発
あれから20年~宇宙飛行記念シンポジウム開催:JAXA
平成4年、毛利衛氏がアメリカのスペースシャトルに搭乗し、日本人として初めて宇宙に飛び立ったことは大きな話題となりました。
10月11日、日本の有人宇宙飛行の歴史が丸20年の節目を迎えたことを記念し、宇宙航空研究開発機構(JAXA)は記念シンポジウムを開催。毛利氏をはじめ、向井千秋氏、若田光一氏など、歴代の日本人宇宙飛行士5人が参加し、20年の歴史を振り返りながら今後の宇宙開発についてパネルディスカッションを行いました。
米:民間企業がスペースシャトル後継機打ち上げ
米航空宇宙局(NASA)が開発したスペースシャトルのなかで広く知られているのは宇宙へと初飛行したコロンビアですが、このほかチャレンジャー、ディスカバリー、アトランティス、エンデバーの4機がありました。宇宙開発史に数々のドラマを残したスペースシャトルが引退して1年余り。米国ではNASAに代わり、民間企業が無人宇宙船「ドラゴン」を打ち上げが実施されました。
この宇宙船の名は「魔法のドラゴン・パフ」に由来するとのこと。米国のフォークグループだったピーター・ポール&マリーが歌い、日本でも大ヒットした「パフ」に登場する竜だ。民間では不可能といわれた構想を実現するため命名されたといいます。ドラゴンは無事ISSとドッキング。ドラゴンを捕捉したのは日本人宇宙飛行士の星出彰彦氏でした。
存在感高まる日本人の宇宙活動
この20年の間に、8名の日本人が宇宙飛行を経験しています。また、平成21年には地上から400キロに建設された国際宇宙ステーション(ISS)での長期滞在も開始。21年に若田氏、その後、野口聡一氏、古川聡氏と続いています。古川氏の滞在中には、日本人飛行士の累積滞在日数が、アメリカ、ロシアに次いで世界3位となりました。
10月5日には、油井亀美也氏が27年6月ごろから約半年間、ISSに長期滞在することが決定したと発表されています。宇宙活動において、日本人の国際的な存在感が高まっていることが実感されます。
宇宙研究の継続・進展に貢献する日本/進む国際化・商業化
月の起源と進化の解明につなげようと、JAXAが打ち上げた月周回衛星の名は「かぐや」。アポロ計画以来最大規模の月探査を行い、月の詳細な地形図作成、月の裏側の重力分布解明などの成果につなげましたが、こちらも3年前にそのミッションを終えています。身近な天体ながら、未だ謎が多い月。JAXAなどはその解明のためかぐやの後継となる月着陸探査機の検討も進めているとのことです。
先のシンポジウムにおけるパネルディスカッションで毛利氏は、ノーベル医学生理学賞受賞が決まった山中伸弥氏に触れ「高い科学技術力を持つ日本は、人類に貢献するために宇宙開発を進めるべき」とコメント。今後の宇宙開発は国際化と商業化が一層進むことでしょう。
[2012.10.19]
トラックバック(0)
このブログ記事を参照しているブログ一覧: 日本人の宇宙初飛行から20年~記念シンポジウム開催:JAXA/国際的に存在感高まる日本の宇宙開発
このブログ記事に対するトラックバックURL: http://www.h-yagi.jp/mt5/mt-tb.cgi/1054
コメントする