IMF・世界銀行年次総会開催!48年前の総会で日本は「経済成長」、次は「復興元年」
金融会議は世界規模:199ケ国の官民、金融要人参加
IMF(International Monetary Fund:国際通貨基金)・世界銀行の年次総会、関連する会合が10月9日から東京、仙台で開かれました。世界経済をテーマとした国際会議では最大規模となる年次総会は、IMFのラガルド専務理事や世界銀行のキム総裁をはじめ、加盟する199ケ国の財務相や中央銀行の総裁が出席。欧州債務危機や中国など新興国の経済鈍化への対応など、世界経済の安定と成長に向け議論されます。
日本での開催は、東京五輪が開催された昭和39年以来、48年ぶり。震災からの復興を世界にアピールする絶好の機会となりました。
IMF世界経済見通し:7月からマイナスに下方修正
IMFは10月9日、平成24年〜25年の世界経済の見通しを7月時点から0.2ポイント下方修正。マイナス成長を見込むユーロ圏を「世界経済最大のリスク」と指摘。中国の減速についても警戒感を強めました。円高、産業空洞化で輸出にブレーキのかかった日本も、今年の成長率は2.2%と7月から0.2ポイント下方修正しました。
IMF・世界銀行は12日に年次総会を開催するほか、金融に関連する会合は約200。9日には仙台市で「防災と開発に関する仙台会合」も開かれ、被災地の視察も行われました。総会の期間中、関係者は約1万5,000人が参加するなど、政府は震災からの復興を訴えます。
48年前、東京での総会開催時、GDPは9%
48年前に東京で年次総会が開かれた年は、オリンピックが開催され、新幹線が開通、一般の海外旅行も解禁。GDP(国内総生産)は9%を超えるなど高度経済成長期にありました。日本は、先進国からなるOECD(経済協力開発機構)にも加盟し、先進国の仲間入りをした記念の年ともなりました。
それから48年。昨年は震災の影響もありほぼゼロ成長、長引くデフレ、円高による産業の空洞化、雇用問題など政治不信状態。このような状況のなか、世界の金融を動かす関係者が日本に集まる意義は大きくあります。
本当はエジプトでの開催、政権崩壊で手を挙げたのは野田首相
IMF・世界銀行の年次総会は3年に1度、本部のある米国ワシントン以外で行われ、本来はエジプトで開催予定でした。ホスト国は、世界の金融の祭典として、かつての日本のように総会を機に、先進国への脱皮を目指す国で開催されることが多く見られます。
エジプトはムバラク政権の崩壊で情勢が悪化し急遽、当時の野田財務相が手を挙げました。首相となった今、「震災から復興する姿を世界中に見てもらう絶好の機会」と発言したからには、復興の進展を伝えるだけにとどまらず、直面するデフレ脱却。さらに世界経済の安定に結果が求められます。数年後にIMF・世界銀行の年次総会の年が日本を成長させ、復興を果たしたと語られることが望まれます。
[2012.10.12]
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