セブン&アイ、ヨーカ堂社員を半減、パートの割合9割!受け皿は成長するセブンイレブン
3年半で正社員8,600人を半減、パート化へ転換
セブン&アイ・ホールディングスは、グループ傘下のスーパー・イトーヨーカ堂の正社員約8,600人を3年半で半減させる方針を決めました。正社員減少分はパートを約6,800人増加させ、1店舗当たりに占めるパートの割合を現在の8割弱から9割に高めます。パート化による人件費は、約100億円圧縮できるとしています。
同社は、傘下のセブンイレブンなどコンビニ事業の拡大で来年2月期も最高益を更新する見込みですが、スーパー事業の低迷が足かせとなっています。再生策では、希望退職の募集は行わずに傘下の西武・そごうやセブン・イレブンへの転籍、オーナー就任を促すとしています。
低競争激化で収益は半減、不採算店も閉鎖も再開
ここ数年、GMS(General Merchandise Store:大規模小売店)は、ユニクロなどの専門店やディスカウントストア、ネット通販に押され長期低迷が続いています。イトーヨーカ堂も今年3〜5月期の営業利益は23億円と前年同期から半分以下となりました。
昨年は、震災の影響で生活必需品など買いだめ特需もあり売上高は底上げとなったものの、今期は特需を除外した予算にも関わらず前年同期から3.2%減少。中断していたす不採算店舗の閉鎖を再開し、正社員削減にも踏み込まなければならなくなりました。
実力主義:高い技術を持つパートも店長に昇格
セブン&アイ・ホールディングスでは、低価格競争が激化するなか、優秀なパート確保に食品加工など高い技術を持つパートの賃金を引上げ、店長にも登用できる仕組みを作り上げるとしています。横並びから実力主義の社会に確実に移り変わってきています。企業は、経済成長の伸びしろの見えない国内において生き残りをかけ、大胆なリストラ策を打ち出し収益改善を目指します。
長引くデフレは、消費者の節約志向の高まりでGMS業界の経営環境を悪化させ、今後はほかのGMSでも経営の効率化を図る動きが広がると予測されます。
セブンイレブン、1年半後に1,500店舗を新規出店
一方、成長事業であるセブンイレブンは今年7月、平成26年2月期に1,500店舗の新店舗を出店する方針を示しました。都市部のほか、店舗展開の遅れている地域での出店を加速させます。セブンイレブンは、今年6月末時点で全国に約1万4,200店舗あり、まだ出店実績のない四国や青森県など7県を含め、平成26年には1万5,600店舗を超える見通しです。
セブン&アイ・ホールディングスがイトーヨーカ堂の正社員に希望退職を募らないのは成長するコンビニ事業の強化が伺えます。同社が経営指導するセブンイレブンへの転籍や、店舗経営者としての受け皿は用意されました。弱きを補い、強さを伸ばすGMSの変革はすでに始まっています。
[2012.10.10]
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