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金融庁、改正貸金業法を検証し「効果あり!」、実態は収入減で資金需要は減らずカード現金化の実態懸念

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改正効果:貸金利用者の残高117万円から5年で57万円に半減
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改正貸金業法は、社会問題化した多重債務者撲滅を目的に平成18年に公布され、22年6月から完全施行しました。新たな借入れの上限金利は20%に引き下げられ借入額は年収の1/3までと総量規制が設定。金融庁では、多重債務の問題解決と、安心して利用できる貸金市場の構築を目指しました。
完全施行から2年以上経過し金融庁は9月27日、多重債務解決を目指す同庁や内閣府、消費者庁など関連省庁、学者など有識者による初会合を開催。金融庁では、同法完全施行後、消費者金融利用者の1人当たりの残高は、平成19年3月末に約117万円だったものの、今年8月末には約57万円に減少したと報告。同法改正の効果があったとしています。

カード現金化:ショッピング枠50万円購入で40万円のキャッシュバック
会合は、平成19年に市町村の相談体制を盛り込んだ「多重債務問題改善プログラム」の決定から5年経過したため、現状の把握や課題、今後の対策を整理する目的で設定。会合では、多重債務者は減少傾向にあるものの、クレジットカードのショッピング枠の現金化が新たな問題となっていることが報告されました。
クレジットカード現金化は、商品やサービスを後払いで購入するために設定されたショッピング枠。この枠を現金を入手する目的で利用するものです。利用者はネットなどを通じ、クレジットカードのショッピング枠の50万円分を申し込み、手続き完了後に業者から利用者に40万円が支払われ、後日、利用者へクレジット会社から50万円請求されるシステムです。

カード現金化のネット勧誘:プレゼントまで用意するサイトも
改正貸金業法の借入れ金利にたとえれば法定の上限を超えていますが、あくまでショッピングでの利用。消費者庁では、利用をやめるよう呼びかけるにとどまり、クレジット会社でも現金化での利用は認めていたいため、カードの利用停止になる恐れがあると注意にとどまります。ネットを検索すればカード現金化のガイドやご丁寧に比較サイトまで立ち上がり、野放し状態となっているのが現状です。
消費者金融を利用できなくなった資金需要者は、カード現金化やヤミ金を利用するのか、先週も多重債務者をターゲットにしたヤミ金業者摘発の報道が相次ぎました。法定上限金利の数十倍で少人数に貸出し、数千万円の利益をあげるなど資金ニーズは減少していません。

資金ニーズ:カード現金化を選んだ16.9%のうち、11.2%が「実際に申し込む」
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NTTデータ経営研究所が8月に発表した消費者金融の利用状況調査によると、資金ニーズで最も多いのは全体の36.5%を占める「生活維持」。収入減により数社から生活のために借入れていることが判明。次いで他の借入金を返済するための「多重借入」が21.8%でした。また消費者金融から借入れができない場合の借入先は「家族や親族」が58.6%とトップでしたが、19.6%が「ヤミ金」、16.9%が「カード現金化」と答えています。
問題は、「ヤミ金」を挙げた人のうち実際に申し込むと答えたのは3.9%にとどまりましたが、「カード現金化」は16.9%のうち11.2%の人が実際に申し込むと答えました。使い慣れたクレジットカードの信頼心理を利用したカード現金化は、水面下での実態規模は不気味に不透明となっています。


[2012.10.2]

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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
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