iPhone5の発売が次世代通信LTE普及拡大の起爆剤!懸念はデザリングで通信量拡大による障害
米アップル社:予約注文だけでも4Sの2倍
9月21日、米アップル社の最新のスマートフォン「iPhone5」が日本や欧米、豪州などで発売され、各国で製品を求める長い列をつくりました。ニューヨーク5番街のアップルストアでは数百人が並んだほか、ロンドンでは1,300人、シドニーでも600人、日本では銀座のアップルストア前に750人の列をつくる人気を見せつけました。
「iPhone5」は、これまでの「iPhone4S」に比べ縦長で一段と軽く、薄くなり次世代高速通信サービスのLTE(Long Term Evolution)にも対応。アップルでは予約注文だけでも4Sの2倍と表明しました。
高速通信LTE、対応地域はまだ一部大都市圏のみ
LTEは、第4世代の通信規格で通信速度が現在より約3倍に早くなり、アプリや音楽、動画などスムーズにダウンロードすることができます。ただLTEに対応する地域は、現時点で大規模都市圏に限られるためエリア外では3G通信に切り替わります。
今年はスマートフォンの急速な普及に伴い、データ通信量の急拡大で通信障害のトラブルが目立ちました。iPhone5の発売で、さらにデータ量の拡大は予測され、LTE基地局の増加など高速通信普及の起爆剤となりそうです。
LTE普及拡大へ、関連企業にビジネスチャンス
LTEは、平成21年にノルウェーとスウェーデンで商用サービスが始まり、日本では翌22年にNTTドコモがサービスを提供。今年は世界34ケ国で導入が見込まれます。iPhoneは発売から5年、世界で累計2億4000万台を販売しているだけに今後、LTEは普及し、製品や関連サービスを提供する企業のビジネスチャンスとなります。
iPhone5販売を巡り、ソフトバンクでは下取りサービスやLTE基地局の多さをアピールし、KDDIも通信速度の速さを強調します。
利用者には魅力的、モバイルパソコンでLTEを利用するデザリング
iPhone5を販売する両社の端末の実質負担額やデータ通信料はほぼ横ばい。iPhone販売後発のKDDIは、発売と同時にデザリングというサービスの提供を始め差別化。デザリングは、iPhone5の近くのモバイルパソコンなどをLTEなど高速回線で無線接続させる中継機能。ソフトバンクはデザリングに消極的でしたが、KDDIが提供し始めたことを受け急遽提供すると発表しましたが、ネットワーク整備に時間がかかり開始は来年1月にずれ込など明暗を分けそうです。
デザリングは、利用者にとっては魅力的ですが、通信事業社にとっては多くの機器が回線を逼迫させ、データ通信量の増大で通信速度の低下や通信障害につながる恐れもあります。進化のスピードが早いiPhoneの技術に通信インフラはおいてきぼりとなっています。
関連記事:「2012年版ものづくり白書:日本の製造業強みは「現場力」:手本はアップルの「付加価値」[2012.6.27配信]
[2012.9.26]
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