世界に誇る日本のものづくり「未来技術遺産」発表/ウォークマン1号機、国産LPなど新たに21件登録
国立科学博物館「未来技術遺産」発表
9月4日、独立行政法人国立科学博物館が次世代に継承すべき「重要科学技術史資料」(愛称・未来技術遺産)を発表しました。
未来技術遺産は、国立科学博物館が平成20年度から実施している登録制度です。「科学技術の発達史上重要な成果を示し、次世代に継承していく上で重要な意義を持つ科学技術史資料」、および「国民生活、経済、社会、文化の在り方に顕著な影響を与えた科学技術史資料」の保存と活用を図ることが目的としており、登録件数は今回の追加分を含め、113件となりました。
世界に誇る日本の技術/ウォークマン1号機、国産LPなど新たに21件登録
5回目となる今回、新たに登録されたのは携帯型ステレオカセットプレーヤーの「ウォークマン」の1号機や、国産第1号の「LPレコード」、同じく国産初の自動車タイヤなど21件。「国産初」のみならず、「世界初」の液晶電卓や全身用X線CTなど、日本が世界に先駆けて開発した技術も多く名を連ねています。
早くも「遺産」CASIOのデジカメ
登録されている資料を見ると、高度成長期や、戦前に発表された「遺産」と呼ぶにふさわしい商品が大半を占めています。しかし今回は、平成7年にカシオ計算機株式会社(東京都渋谷区本町1-6-2/代表取締役社長:樫尾和雄氏)が発売したデジタルカメラ「QV-10」が早くも登録されました。
確かに、今でこそ「カメラといえばデジカメ」というのが当たり前になっていますが、撮影した写真をその場で確認、不要な写真は消去できるといったその機能は、当時としては非常に画期的でした。また、QV-10以前のデジタルカメラが、主に業務用として使用される高価な機器であったのに対し、一般の消費者への普及に貢献した点も評価されています。
世界中を席巻したウォークマン
個人的に大変喜ばしいのは、何を置いてもSONYのウォークマン。こればかりは「ようやく登録か」と感じています。
草原の中で瞑想するサルのコマーシャルも話題を呼びました。また、それまでは思い付きもしなかった「音楽を持ち歩く」ということを可能にしたウォークマンの登場による衝撃は現在のタブレットやスマートフォンにも匹敵するものでした。デジタル化に伴い、カセットテープ式のウォークマンは2年前に販売終了となっていますが、CDタイプやその他のタイプを含めると、世界累計販売台数は約4億台にも上るとのこと。世界中に愛されたウォークマンの登録は、往時を知る者としては素直に嬉しいばかりです。
第5回 未来技術遺産 登録パネル展/国立博物館
上野の国立博物館では9月11日~11月4日の間、「第5回 未来技術遺産 登録パネル展」としてパネル展示が行われています。発表当時は世界に誇る「メイド・イン・ジャパン」を、ただ眺めるだけでなく、「日本のものづくり」の真髄を見届けたいものです。
[2012.9.17]
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