農水省:新エコポイントは国産木材利用拡大!地域雇用・経済活性、住宅取得促進、放置森林歯止めと一石三鳥
国産の木材使用した住宅に家具や家電と交換できるポイント付与
被災地を除く地域で打切りとなった住宅版エコポイントは、省エネ住宅推進の後押しと一定の効果を見せ前倒しでの終了となりました。農林水産省では、住宅版エコポイントに代わる新たな支援策として国産の木材を利用した住宅に、家具や家電製品などと交換できるポイントを付与する考えを示しました。
ポイントは、国産木材の使用量に応じて付与され1戸当たり20万~30万ポイント程度と見ており、来年度予算に約100億円が盛り込まれる見込みです。同省では、国産の木材を利用することで地域の雇用や経済の活性化を目指し、住宅市場を下支えするとしています。
国産木材価格急落!ヒノキは30%下落
住宅に使われる木材は、海外からの規制緩和や円高などを背景に北欧や米国、カナダからの輸入木材に置き換えられ国産の木材価格の下落に歯止めがかかりません。林野庁は6月に第1回目の「木材需給会議」を開き、震災特需や住宅着工の回復傾向が見られ木材需給は、ほぼ前年並みとしながらも国産木材価格の下落は厳しいとの報告が相次ぎました。
今年5月のスギ材の販売価格は1立方メートル当たり10,100円と前年同月から11.4%、ヒノキ材は12,600円と30.0%と大幅に下落しています。輸入木材と充分競合できるものの収益のためには、大量供給でコストダウンも必要でしょう。
新成長戦略:国産木材自給率26%から50%へ
国内の木材ニーズは、製材や合板、チップ、パルプ用などに使われ、国産木材の利用率は、6月の木材需給会議では26.6%にとどまっています。半世紀前には国内で使われる木材はほぼ国産が利用されていましたが、高度経済成長を機に急減し、現在では7割以上が輸入木材に移り変わっています。
農林水産省は、平成22年6月の新成長戦略で「森林・林業再生プラン」を閣議決定。10年後に木材自給率50%を目指すと示しました。このため昨年、森林法を改正し森林所有者が不明でも間伐を行うことができるなど国産木材の普及、拡大を促します。
日本国土の40%は人工林、放置は災害の原因に
日本の国土面積のうち森林の占める割合は約66%。このうち約40%は造林拡大政策により同一時期に同一樹木が植林されました。その後、輸入木材の規制緩和で国産木材価格が急落し人工林は放置したままとなっています。
世界でも日本は有数の森林国。この豊かな自然を将来にわたり維持しなければなりません。手入れをしない人口森林は弱い木となり災害の原因ともなり得ます。住宅ローンも史上最低金利となり、エコブームから端を発した自然志向も手伝って、コンクリートや鉄筋から木材住宅へ、新たなエコポイントの創設で国産材木使用木造住宅が普及しそうです。
[2012.8.28]
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