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LCC3社、お盆休みの搭乗率ほぼ満席!大手2社は海外路線増加、国交省は競争力強化に規制緩和

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スカイマーク:LCCと競合でも搭乗率95%
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航空各社は8月20日、お盆休み(10日~19日)期間中の利用実績を発表しました。ANAは、国際線の旅客数が前年同期比11.9%の22万人と増加しましたが、国内線旅客数は同比2.5%減の147万、搭乗率も73.2%にとどまりました。JALも同様に国際線は同比2.5%増の26万人と増えたものの国内線では4.1%減の106万人、搭乗率は74.4%となりました。
一方、低価格が売りのスカイマークは、同比20.2%増の23万人と大幅に増加。LCC(Low-Cost Carrier:格安航空会社)と競合する成田からの札幌、福岡、沖縄便では、搭乗率95.0%とLCCの老舗ともいえる意地を見せました。

国内主要路線でLCC満席、見えはじめた課題
一方、国内路線に就航したLCC3社は揃って初めての繁忙期を迎えました。関西空港を拠点におくピーチ・アビエーションは、旅客数は3万348人、搭乗率94.3%とLCC3社では最も高い搭乗率となりました。成田空港が拠点のジェットスター・ジャパンは、旅客数2万5,790人、搭乗率は89.5%と90%台に届かず、同じ成田拠点のエアアジア・ジャパンは、旅客数1万9,365人、搭乗率は91.2%でした。
国内路線は価格競争からLCC、スカイマークがほぼ満席と大手2社を抑えました。成田を拠点に札幌や福岡、那覇へ4,000~6,000円台で利用できるなど、空の価格破壊が本格化する一方、遅れや欠航が出れば大きな影響をもたらすLCC特有の課題も見え始めています。

ジェットスター:相次ぐ遅延で時間がない?門限守れずに欠航
成田空港は、騒音防止対策で夜11時から朝6時まで滑走路の使用が禁止されています。ジェットスターは札幌から成田への到着を夜10時20分にしていますが、営業初便から当日の各便の遅延で最終の成田便が11時までに着く見通しが立たず欠航。営業開始から20日で到着時刻を20分前倒すダイヤに変更しました。
LCCは、清掃やゲート業務などを客質乗務員などが兼務し、飛行機の機種を絞り整備コストを抑え低価格を実現。搭乗も専用ゲートからバスで移動するし、乗客も時間に追われ、小さなトラブルが遅延につながり欠航となっていしまいました。航空各社では国土交通省に新たな要望を出しますが、時間を短縮するための規制緩和は、安全が担保されていないだけに慎重になるべきでしょう。

国交省:競争力強化に規制緩和、年間30億円コスト削減
国土交通省では、航空各社の競争力強化に各社から129項目の要望を聞き取り、昨年12月から今年4月までに有識者委員会で100項目の見直しを決めました。乗客乗降中の給油や、60歳以上の機長、副操縦士での搭乗解禁、機種によってはフライト間の整備不要などが検討。同省では100項目全てを緩和した場合、年間約30億円のコスト削減効果があると試算。安全上、問題ないと判断したものから順次緩和を進めるとしています。

規制緩和が大事故に/深夜バス、安全を担保
国土交通省では5月の高速バス事故を受け、深夜1人での走行距離を670kmから400kmまでに制限。670kmを深夜1人で運転したことのあるプロドライバーならおろか、官僚にはまずいないでしょう。霞ヶ関への業界や政治的圧力でなく、現場を重視し安全担保した規制緩和が求められているのです。

[2012.8.24]

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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
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