レアアース、官民一体で中国依存5割以下に!東芝、三菱、日立は代替技術を開発
中国から豪州、米にレアアースに代わる新たな資源を輸入
東芝は8月16日、世界生産の約9割以上を占める中国レアアースのジスプロシウムを使用しないモーター用磁石を開発したと発表。豪州や米国に豊富に存在するサマリウムを主原料に、一般的に利用されているネオジム磁石同等のサマリウム・コバルト磁石を開発しました。
サマリウム・コバルト磁石は、磁力を高める鉄の配合量や焼結時の温度、時間、圧力などの条件を工夫するなどの技術力を向上。東芝は、今年度末までにはEV(電気自動車)や産業機器向けに販売する計画を示しました。
中国の不正価格操作、輸出規制枠:日本は着々輸入代替え国と共同開発
ハイテク製品に欠かすことのできないレアアースの生産は、ほぼ中国が独占状態と言っても過言ではありません。このため中国は、輸出価格の不正操作や、しらじらしい自然保護を理由に輸出規制枠を設けるなど日米欧はWTO(世界貿易機関)に初めて提訴しました。
この間にも、政府や商社などベトナムやカザフスタン、インド、豪州などへレアアースの資源確保に動いています。8月14日には、枝野経済産業相がベトナムで昨年10月にレアアース共同開発で日本と合意したことについて、来年後半から生産を開始することを確認しました。
経産省支援:2年後にはレアアース輸入半減
電機産業では東芝のほか、三菱電機もレアアースを使用しない電磁石の原理を応用した車載用のモーターを開発。日立製作所でも中核部分にアモルファス金属を使用する独自開発の素材を採用した産業用モーターを開発しています。
経済産業省では、海外からのレアアースの輸入量を減少する技術に対して支援を強化。レアアースを使用しない素材や、廃棄した家電などからレアアースを回収する技術の研究開発費を補助。同省によると、この支援策によって2年後までにはレアアースの輸入量は現在の半分に抑えられるとしています。
資源のない日本?南鳥島沖にもレアアース堆積:東大教授発表
資源の少ない日本においてレアアースに代わる素材の輸入は、いつ中国のレアアース・ショックのような輸出規制が起きてもおかしくはありません。東京大学の資源フロンティアセンターの加藤教授は昨年7月、英科学紙「ネイチャー・ジオサイエンス」で太平洋の海底にレアアースを含む泥が大量に堆積していることを発表し世界を驚かせました。さらに今年6月には東京、小笠原村の南鳥島沖でもレアアース泥を発見し話題となっています。
レアアースは電機や自動車産業界で日々研究開発され、他国に頼らないMade in JAPANの技術を世界に示しています。さらに資源のない国と言われながら豊富な水資源のほか、天然ガスやレアアースの存在も明らかになり、資源輸出大国目指し、この採掘、生産、量産化技術の向上もじきに見せてくれるでしょう。
レアアース、中国依存5割切る
日本は、中国に依存するレアアース調達を官民連携で各国から確保。今年上半期(1月~6月)の中国からの輸入割合は平成12年以降始めて5割を下回りました。
レアアース、中国依存5割切る
日本は、中国に依存するレアアース調達を官民連携で各国から確保。今年上半期(1月~6月)の中国からの輸入割合は平成12年以降始めて5割を下回りました。
[2012.8.21]
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