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新興国,建設取込み急げ!/新日鉄:豪鉄鋼大手と合弁、建材事業強化へ

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新日鉄:豪・ブルースコープと合弁を発表/建材事業を共同展開
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8月13日、鉄鋼大手の新日本製鐵株式会社(新日鉄/東京都千代田区丸の内2丁目6−1/代表取締役社長:宗岡正二氏)はオーストラリアの鉄鋼メーカー、ブルースコープ・スチール(会長:Graham Kraehe氏)と合弁で持ち株会社を発足させ、建材事業を共同展開することを発表しました。

443億円出資でシンガポールに新会社設立
ブルースコープは世界最大の鉱業会社、BHPビリトン(イギリス・オーストラリア/会長:Jacques Nasser氏)の鉄鋼事業が分離してできた鉄鋼メーカー。新日鉄とは1970年代から技術協力に取り組むなど、提携関係にありましたが、今回シンガポールに事業の統括会社を設立し、新日鉄グループが50%を出資。出資額は約5億5,400憶ドル(約443億円)で、手続きを来年3月までに終える予定とのことです。

東南アジアなど7カ国14社を統括/年間メッキ能力140万トン、売上1,100億円見込み
統括会社の傘下にはブルースコープがタイやインドネシアをはじめとした東南アジア、米国など7カ国で運営している溶融亜鉛めっき鋼板の製造会社、薄板鋼板の加工会社など14社を置くこととなります。
年間のメッキ能力は約140万トン。薄板に塗装やメッキ加工を施してビルや工場向けの建材を生産、販売を行い、14社で約1100億円の売り上げを見込むとのことです。

海外への出資強化で新興国の建設需要取り込み急ぐ
新日鉄は海外ではこれまでも、自動車向け鋼板では定評を得てきましたが、建材の分野は手薄となっていました。近年は新興国の建設需要の取り込みを狙い、中東など海外各国の建材加工会社に相次いで出資を行っていますが、今回、合弁会社の経営に参画することで、今後の拡大が見込める東南アジアの建設市場に本格的に切り込むこととなります。
今後は、合弁会社に対して溶融亜鉛めっき鋼板の原板(熱延鋼板、冷延鋼板)を安定供給。また、新日鉄の独自技術、商品群を合弁会社に投入し、建材薄板、家電を含めた幅広い需要捕捉を図るとしています。

「鉄は国家なり」国家繁栄もたらす製鉄技術
古代の代表的な製鉄方法として「鑪(たたら)製鉄」があります。日本各地で言い伝えの残る巨人(妖怪)「だいだらぼっち」は民俗学において、その名前からも製鉄との深い関連性が指摘されてきました。富士山や長野県の仁科三湖をつくったという伝説などから「国つくりの神」であったとも語られます。
21世紀のいま、日本を代表する新日鉄の「たたら技術」が、アジア新興国の「国つくり」に貢献すると共に、長引くデフレを脱出するの道を開いてくれる「国つくり」の神であって欲しいものです。
 
[2012.8.18]

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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
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