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インド・スズキこじれた労使関係、暴動はインド共産党「毛沢東主義者」の仕業か!インド政府日本式経営を歓迎/工場再開メドたたず!

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暴動はインド共産党毛沢東主義派も関与?
スズキ自動車のインド子会社、マルチ・スズキのマネサール工場で1人が死亡、約100人が負傷した従業員暴動事件は、インドにおける事業展開に大きな影響を与えました。守衛室など焼失による修復は始まったものの、労使問題の課題解消には至らず未だに工場は再開されていません。
マネサール工場は、スズキの主力工場の一つで1日の生産台数は約1,500台。1日生産が止まるごとに約7億ルピー(約9億8,000万円)損失と試算されます。同工場では、昨年も労使問題でストライキが実施され、経営陣は労働組合の要求を認めたものの、今回の暴動は治安当局によると左翼武装組織・インド共産党毛沢東主義派の関与もあるとみて捜査を開始しました。
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インド政府も敬意:スズキ日本式経営導入
インド共産党毛沢東主義派は、毛沢東思想を信奉しており近年ではリーマン・ショック以降、世界経済の復興の遅れによる所得格差拡大などが放置され続ければ勢力を拡大すると懸念されています。
マルチ・スズキは、昭和57年にインド政府との共同出資で事業を開始。ここ数年、インド市場での販売シェアは約55%で推移しています。同社は、インドで日本式経営を行い、共存共栄ともいうべき実績を残し、インド政府からも敬意がはらわれていました。

労使交渉に英語、ヒンディー語話せない?
経営陣と労組側の深刻な事態の解明は依然明らかになっておらず、労組側では「政府は暴動だけを非難し、従業員の要求を聞いていない」と訴えます。今年3月にマネサール工場で新たに作られた労組と経営陣の賃金交渉では、平成19年から23年にかけて従業員の年収が5.5%増に対して消費者物価指数は50%以上上昇。マルチ・スズキの利益は平成13年以来2,200%伸びているのに従業員の賃金に反映されないと主張。さらに日本人のほとんどが英語やヒンディー語も話せないため、交渉は毎回インド人同士と経営陣を批判しています。

マネサール工場:今後の生産150万から200万台へ拡大、労使交渉は影響大
スズキは来年度、マネサール工場で年間25万台規模の新たなラインを稼働予定で、インドでの生産は他工場も合わせ現在の150万台から200万台に拡大予定。今後の労使交渉による影響は少なくはありません。
インドや中国、台湾など低賃金でコストダウンし海外での競争力を高めようと各国の事業者は新興国へ進出。言葉の壁による経営陣、労組間の意思疎通はもとより、新興国の急激な経済発展によって日本式経営の問題点も露呈されたと言えるでしょう。どのようなところでも不満はあるものです。日本式経営のいいところは競争より、協和でしょう。多数の言語が混在する地域では、意思疎通が難しいく、日本式意思疎通を原則とした経営は困難なのかもしれません。発展途上国に最も適した日本式経営!労働者の良いところを引き出す努力が必要でしょう。
[2012.7.28]

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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
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