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JPモルガン:デリバティブ取引で7千億円損失!日本は為替取引で中小損失増加

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20億ドル損失発表後、さらに10億ドル以上の損失と警告
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米紙ニューヨーク・タイムズ紙電子版は6月28日、米金融大手JPモルガン・チェースのデリバティブ(金融派生商品)取引の巨額損失問題で、損失額が90億ドル(約7,150億円)に上る可能性があると報じました。JPモルガンは5月、社内報告書で金融取引の失敗による損失額を20億ドルと発表し、さらに10億ドル以上に増える可能性があると警告していました。
ニューヨーク・タイムズ紙では、金融商品の取引解消で発生する損失額について最悪の想定を試算。JPモルガンは7月13日、4~6月期決算を発表する際に損失をめぐる経緯について詳細な説明を行うとしています。

巨額損失はクレジットデリバティブの失敗?
ニューヨーク・タイムズ紙によるとJPモルガンの巨額損失の要因は、クレジット・デリバティブによるもので社債や貸付債権などの信用リスクを売買する金融派生商品の取引。代表的な商品にCDS(Credit Default Swap:クレジット・デフォルト・スワップ)があり、一言で言えば企業が倒産した際に、投資した資金の補償を取引する商品です。
信用リスクの売買は貸倒れリスクとも言え、債務不履行に対する補償のほか、業績悪化による信用力の低下などの状況を取引するなど様々なデリバティブ商品が販売されています。

デリバティブ、先の見えない金融商品
JPモルガンは、金融商品のプロでありながら損失を出すなどデリバティブ商品は先の見えない商品。信用リスクなどのほかに株価や金利、為替など市場リスクを取引するデリバティブもあり、利用する中小企業も少なくありません。特に為替デリバティブ取引は、昨年からの歴史的円高で、為替の差額負担に倒産にまで陥る企業も目立ってきています。
為替デリバティブは、為替の変動リスクを補償する金融派生商品で、あらかじめ取り決めたレートで5~10年外貨を売買する取引です。プロでも巨額損失を出すデリバティブ商品。5年前、まさか円が1ドル70円台にまで上がるとは予想できた中小企業は多くはないでしょう。

デリバティブ取引のトラブル解消法:ADR申立て879件
平成24年7月現在の為替レートは1ドル70円台後半です。5年前の今日は119円で約40円の差が出ています。5年前は、このままじわじわ円安が進み1ドル140円台になると想定していました。円安傾向なら1ドル120円で金融機関とデリバティブ契約していれば、差益が出るので経営にはダメージがありません。反対に現在のように円高になると、差額分が余分なコストとなり経営を圧迫します。

デリバティブ取引は「円安になればリスクを回避できる」と甘い勧誘で契約し、現在も金融機関などへ毎月数百万円の負担を強いられる企業もあります。このトラブルを解消するADR(Alternative Dispute Resolution:裁判外紛争解決手続き)の申立て件数は昨年度879件に達し、現在も増加傾向にあります。デリバティブ商品は、充分な商品特性とリスクの責任を理解しなければ巨額損失も出すことを認識する必要があります。

[2012.7.7]

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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
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