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家電の大手2社が初の提携!ソニー×パナソニック:有機EL量産実現で新興国勢に対抗!

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ソニー×パナソニック:日本家電の2大巨塔が初の提携!
ソニーとパナソニックは6月25日、テレビなどに使う大型ディスプレイ向けの次世代有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)パネルをおよびモジュールの共同開発契約を締結したことを発表しました。長年日本の家電業界のトップ争いをしていた「ライバル」とも言える2社が提携するとあり、注目を集めました。

有機EL量産実現で韓国勢の猛進食い止められるか
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有機ELとは、電圧をかけると自らが発光する素材。ディスプレイの薄型化に活用できるため、スマートフォン(高性能携帯電話)の表示装置として利用が広がりました。
とはいうものの、製造コストの面での課題が大きいのが現状。照明としては価格が蛍光灯や発光ダイオード(LED)照明と比べて数倍にもなるとのことで、一般的なインテリアへの導入には時間がかかると見られてきました。
ところが、韓国のサムスン電子やLG電子は大型の有機ELテレビの年内発売を発表しています。今回の家電大手2社提携は、猛進を続ける韓国勢に対抗するものとなるか、期待したいものです。

平成25年内に量産技術確立目指す
有機ELの製造において、各社が有する基本技術および印刷技術を持ち寄ることで、新たな量産技術の開発に乗り出します。次世代の大型かつ高精細、そして低コストの有機ELパネルおよびモジュールの開発を共同で進め、平成25年内の量産技術の確立を目指すとしています。
また、両社は今後、今回の共同開発と並行して、量産フェーズでの協業の可能性についても検討していくとも。将来的にはそれぞれの強みを活かし、高性能かつ競争力のある次世代の有機ELテレビおよび大型ディスプレイの開発・商品化を行っていく計画を示しています。

技術・設備持ち寄り、急げ実用化
ソニーはこれまで、有機材料を高温でパネルに吹き付ける蒸着技術を用いた有機ELディスプレイの量産に取り組んできました。平成19年、世界で初めて11型有機ELテレビを発売。また、23年には25型の業務用モニターを発売するなどの実績があります。
一方のパナソニックは、印刷技術を応用し、先端のオール印刷方式による大画面・高精細有機ELパネルの技術開発を進めてきました。独自の設備技術・生産技術を有していることもあり、実現すれば大型化・低コスト化に優位となることが見込まれるのです。

最大の課題はコスト面/「やってみないとわからない」「まずは普通の会社に」:パナソニック津賀新社長
ただし、6月27日の株主総会後の取締役会で新たに就任したパナソニックの津賀社長は6月28日の会見で、有機ELテレビの発売については「価格をどこまで下げられるかが最大の挑戦」と指摘しています。現在のテレビの価格帯まで引き下げるには「相当の時間がかかる」との考えで、「やってみないとわからない」と慎重姿勢。
家電メーカーの多くが大きな赤字を残した昨年度の決算において、パナソニックも過去最大の7721億円の最終損失を計上したことを受け、「収益にこだわって、まずは普通の会社に戻ることが大事」と述べました。地に足を付け、確実なステップアップを期待したいものです。

[2012.7.5]

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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
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