再び「エコカー補助金難民続出」国内外販売好調!懸念は次の経済政策・円高対応「政府・日銀、次の手は?」
復活したエコカー補助金:2ケ月前倒しでまた終了?
エコカー補助金の申請を受け付ける次世代自動車振興センターは6月1日、同日時点の申請金額が約1,431億円となり補助金の予算額2,747億円の過半に達したと発表。国内の自動車販売は、昨年震災の反動もあり記録的な販売増となっており、5月の販売ペースが続けば、ボーナス需要も見込めるなど7月末で打切りとなりそうです。
平成22年には、エコカー補助金終了前の駆け込みニーズで突如打切りとなり、エコカー補助金難民が続出。昨年12月に復活したエコカー補助金も想定した9月末はもとより、7月末の予測も前倒しとなる可能性が高まります。景気低迷のなか、消費意欲を旺盛に盛り上げた政策がまた一つ終了します。
人気の「アクア」今、注文しても納車数ケ月先で補助金間に合わず
日本自動車販売協会連合会によると今年5月の国内新車販売台数(登録車)は、前年同月比66.3%増の23万6,366台。1月から5月までの累計でも58.7%増の97万155台と8ケ月連続して前年を上回り政策効果を見せました。
エコカー補助金の復活で低燃費を売りにしたHV(ハイブリッド車)や軽自動車に人気が集まったものの、トヨタ「アクア」などは納車までに数ケ月かかるため、現時点ですでに政策の恩恵は受けられそうにありません。
米国市場:日本勢販売好調!トヨタ87%増、ホンダ48%増、日産21%増
新車販売台数の回復は日本だけでなく5月は米国でも好調となっています。米調査会社のオートデータによると5月の米新車販売台数は前年同月比25.7%増の133万4,600台。なかでもトヨタが同比87.3%増の20万2,973台と6ケ月連続前年を上回り記録的な回復を見せました。トヨタに続くホンダは、同比47.6%増の13万3,997台を販売。3ケ月ぶりに前年実績を上回っています。
一方、日産は2ケ月連続してホンダを下回ったものの、前年同月比は20.5%増、9万1,794台を販売。主力の「アルティマ」がモデル末期となった影響が大きくでましたが、小型SUV(Sport Utility Vehicle:多目的スポーツ車)「ローグ」は同比72%増の1万1,977台と大きく伸ばしています。
豊田社長:超円高続けば「日本の製造業は崩壊する」
自動車の国内外販売は、前年実績を大きく上回り好調さを示しますが、打切りとなる政策や、ここ数日の円高が進んでいることに懸念が残ります。トヨタは、1円の円高で年間の営業利益が約350億円消失とありました。昨年の震災によるサプライチェーンの混乱から急速に回復したものの、長引く円高に自動車メーカーでは、海外との価格競争から部品など関連産業を新興国などの海外企業に移し始めています。
日本自動車工業会の会長に就任したトヨタの豊田社長は、6月4日の会見で超円高が続くことに「日本の製造業は崩壊する」と再度、強い危機感を示しました。消費増税だけに目を向けがちな政府の経済政策や日銀の金融緩和策など、日本の産業を守る政策が急務です。
[2012.6.8]
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