高齢者住まい法「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」に登録4.6万戸:10年後60万戸目指す国交省
高齢者住まい法相次ぐ参入企業に「サービス付き高齢者向け住宅」1年で5割増
高齢者の居住の安定確保に関する法律(高齢者住まい法)は平成23年4月に公布されました。高齢者単身・夫婦世帯が安心して暮らせる居住を安定して確保するため「サービス付き高齢者向け住宅」の登録システムを新たに創設。平成23年10月1日より都道府県や政令指定都市で登録がスタートしました。
サービス付き高齢者向け住宅登録、1年で5割増
危険、不便を排除、サービス充実、登録は公共団体安心住宅
「サービス付き高齢者向け住宅」(サ高住)は、危険や不便を極力排除し、高齢者だからこそのサービスに特化して充実。さらに地方公共団体が登録や指導、監督を行う安心を備えた住居です。国土交通省では、登録の基準として床面積は原則25平方メートル以上でバリアフリー化。サービスは少なくとも安否確認、生活相談サービスを提供するとし、契約には高齢者の住居安定が図られ、前払い家賃など返還ルールや保全措置が講じられたものとしています。
「サ高住」は、決められた時間での訪問で認知症ケアが可能か。入居時は介護の必要度が低いものの年齢を重ねれば状況も変わるなど、有料老人ホームとは異なり介護サービスで懸念される面も残ります。
国交省:賃貸住宅空き室増加に改修費3/1補助
交通省によると民間の賃貸住宅は、平成20年の調査で全国に約2,200万戸あり、このうち約400万戸が空室状態で5年前から約45万戸増加しています。一方、高齢者単身・夫婦世帯では、経済的な理由などで入居を断られるケースも多く、空室が増加するのに入居できないといった問題が指摘されています。
同省では、今月より家賃を公営住宅と同様とすることや、高齢者や障害者などを優先的に入居させることを条件に、空室をバリアフリー化や耐震工事など改修する費用を補助するとしています。補助対象は、改修費の1/3で、空室1戸当たり100万円を上限としています。
住宅供給、サービスの新規参入で競争力向上、10年後60万戸目指す
高齢者人口は、平成22年の約2,900万人から32年には約3,200万人に達し、高齢者単身・夫婦世帯は同様に約1,000万から約1,245万世帯に増加すると予測されています。
「サービス付き高齢者向け住宅」の登録がスタートし、住宅の整備に325億円の予算計上されたことで市場は拡大。今後10年で約60万戸が整備されます。
高齢者向け住宅へのリフォームや生活相談・食事サービスなど新たな関連企業の参入は、利用者にとっては希望する地域や間取りなどの選択肢の広がり。さらに、自分に合ったサービスの向上で高齢者にとっては安心、便利な生活が確保されます。
▼一般社団法人すまいづくりまちづくりセンター連合会:「サービス付き高齢者向け住宅」登録住居
[2012.5.26]
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