博多、大阪の次は名古屋「駅ビル開業1年前倒し」駅周辺と繁華街、個性生かし地元と共存共栄
平成28年、JR名古屋駅に高さ220m新高層複合ビル誕生
JR東海は5月16日、平成29年度に開業を予定していた「名古屋駅新ビル(仮称)計画」について、これまでの進捗を踏まえ1年前倒しし平成28年春に開業すると発表しました。
新高層複合ビルとなる計画は、JR名古屋駅に隣接する旧名古屋駅ターミナルビル跡地を再開発し、オフィスやホテル、百貨店などが入居予定。敷地面積は約1万700平方メートル、高さ約220m、地上46階、地下6階建て、2階には名古屋駅と結ぶ通路を設け交通拠点の機能を強化します。
駅ビル大規模改装で博多は5千万人、大阪は1,4億人集客
巨大ステーションビルの再開発は、昨年3月に開業したJR九州の「JR博多シティ」で1年間の来店客数は約5,420万人、テナントなどの売上高は約750億円に上りました。核となるテナントとなった博多阪急百貨店では、来客数約3,100万人と想定の2,000万人を大きく超え、年間売上目標も約3%上回り約380億円となりました。
一方、2ケ月後の5月に開業した「大阪ステーションシティ」は、1年間に約1億3,900万人が訪れJR大阪三越伊勢丹などテナントの売上高は約704億円。駅ビル大規模改装に伴い駅反対側の大丸梅田店の売上高も合わせると1,000億円を超える消費を生み出しました。
繁華街の客が駅周辺に奪われる?名古屋は2地区で市場拡大
名古屋や博多、大阪駅周辺は天神や心斎橋など都市中心部まで駅から離れており、駅周辺の大規模開発で中心部の衰退が懸念されています。博多や大阪では、県外からの集客も多く中国や台湾など外国人観光客も集客向上の後押しとなっています。巨大ステーションビルと都市中心部との差別化、お互いの個性を生かして共存共栄が図られれば街全体の繁栄にも繋がります。
名古屋駅には、JRタカシマヤやホテルなどが入居する駅ビル「JRセントラルタワーズ」が平成11年に開業。名古屋駅地区の売上高は約2割増加し、中心部の栄地区は若干減少とありますが、2地区合計では約4%の売上増となり市場拡大に繋がりました。
駅ビル:旅行、出張の通過点から1つの街へ
巨大ステーションビルはこの10年で交通の拠点となる大都市や主要駅で開発が行われてきました。外国人に圧倒的人気の京都駅は平成9年に大規模改装。札幌駅でも平成15年にJRタワーが開業されるなど、活況が聞かれます。
駅ビルは、旅行や出張の通過点として土産品や食事をする場として発展してきましたが、現在では百貨店や家電量販店、ホテル、スパなど目的を持って出かける場となりました。集客力のある巨大ステーションビルに都心中心部への人の流れをもたらし共存共栄で街の活性化が期待されます。
●関連記事:大阪ステーションシティ1周年で来場1,3億人超え!大型小売店1,000億円、JR100億円の経済効果[2012.5.8配信]
[2012.5.22]
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