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トヨタの野菜づくり支える中小技術の底力「ハイテク農業」で食料自給率向上、雇用創出、輸出拡大

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ハイテク野菜工場新設でパプリカ栽培、生産
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自動車や電機、さらに関連する製造工場が海外へ移転するなかトヨタ自動車は先月、東北復興支援として宮城県にパプリカ栽培の植物工場を建設し、野菜栽培に参入すると発表。パプリカ=パブリカといえばトヨタ自動車が昭和36年に発売した小型乗用車がありましたが、名前からあやかったのか、唐辛子の一種、パプリカの生産を選びました。
植物工場は、系列車体メーカーのセントラル自動車に隣接したトヨタ自動車敷地内の広さ約3ヘクタールの用地に建設。セントラル自動車工場の廃熱を利用するなど最新のエネルギー設備を備え今月着工、来年1月から生産を始める予定。年間の生産量は315トンとしています。

農業「やり方次第で儲かる」トヨタ野菜づくりを支援する元「町の工場」
新設される植物工場の運営は、関連商社のトヨタ通商の関連企業、農業生産法人「ベジ・ドリーム栗原」で平成20年に設立。既に宮城県栗原市で生産を始めています。パプリカの栽培はデリケートな農作業が必要とされ、参入へのハードルは低くないものの、参入を支援したのは、栗原市や大分県でパプリカを生産する農業生産法人「リッチフィールド」です。元々は耕運機やアルミ製ボートなどを生産する「町の工場」的存在の中小企業。8年前に「やり方次第で成り立つ」と農業に本格参入。施設園芸が盛んなオランダの企業と提携し、大型温室の輸入代理業を開始。新たに環境制御装置や紫外線殺菌装置などハイテク温室を扱うノウハウを開発し、デリケートなパプリカ栽培に応用しました。

村井宮城県知事:「農業の新たなビジネスモデルに」
現在では、国内のパプリカ生産、販売量でベジ・ドリーム栗原、リッチフィールドの両社は1、2位を争う間柄となり来年、ベジ・ドリームの工場増設で国内生産の拡大に滑車がかかります。国内で消費されるパプリカの93%は輸入に依存しているだけにベジ・ドリームの生産拡大は、「安心、安全、新鮮でおいしい」野菜の安定供給ばかりか問題視される食料自給率の向上や新たな雇用創出にも期待がかかります。
宮城県の村井知事は、「単なる現状復帰でなく、農業の新たなビジネスモデルを作ることに貢献して欲しい」と新しい産業に期待を込めます。ベジ・ドリームは、将来的にはトヨタ自動車のグローバルなネットワークを活用して輸出も検討したいとしています。

大企業支える中小企業は農業も同じ
ベジドリームを支援するリッチフィールドは、大規模温室の建設や運営のほか、高度な栽培技術を取得し、ハイテク温室の先駆者となりました。中小企業のものづくりが大企業を支える産業の構図は、農業にも生かされました。
製造工場とハイテク農業の取組みは、一定の成果を得られれば、自動車や電機産業などの工場海外移転の抑制にも繋がる可能性もあります。トヨタのものづくりのノウハウやマーケティング、物流力と、中小企業が生み出しすハイテク技術は、縮小する国内産業に新たな農商工連携モデルを作り上げます。


[2012.5.9]

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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
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