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低中所得層が困窮「スクリューフレーション」、10年デフレの脱却は「的確な経済政策・厳しすぎるコンプラ・労働意識喚起・日銀の金融緩和」

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上昇する生活必需品、下落する耐久消費財に贅沢品
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総務省が4月27日発表した平成23年度の平均消費者物価指数は、価格の変動が大きい生鮮食品を除くと総合指数は99.8で前年度と同水準でした。23年度は、電気料金やガソリン価格が上昇、さらに増税によるタバコの大幅な値上げで物価全体は横ばいにとどまったものの、地デジ移行に伴う薄型テレビやパソコン、冷蔵庫などは大きく下落しました。
一方、冷夏や台風などの被害から野菜や国産米、穀物なども価格が異常に上昇するなど大きく明暗を分けました。家庭を守る主婦からみれば、頻繁には買い替えない耐久消費財の家電などが安くなるよりも、食品や高熱、交通、通信など生活必需品が下がる方が、より暮らし易さをを実感できるものです。

所得は減少、さらに生活必需分値上げでは「豊かな生活は?」
物価の二極化は、低中所得層の生活を悪化させる原因となり、最近ではスクリューフレーション(screwflation)という米国の造語が使われるようになってきました。インフレ(inflation)によって低中所得層の困窮(screw)に拍車がかかる現象を意味します。
長引くデフレ経済の中、所得は減少しているのに購買意欲の高い生活必需品が上昇することは、低中所得層の家計をじわじわ圧迫する要因となっています。日本全体がデフレの中にあるものの、極端に感じないのは普段接する生活必需品の上昇にあるようです。さらに、この時期に政治生命を懸けて消費税を上げる議論をされては、買い替えが必要な物も先延ばしにするなど敬遠される恐れさえあります。これでは増税論議がデフレを助長しているようなものです。

年収200万未満世帯:所得の6割が生活必需品で消費
この先の消費増税や原発事故による電気代値上げは、低中所得者層にとっては負担感の高まりだけが迫られるだけで、より一層の消費抑制を促すだけです。生活必需品の上昇と贅沢品の下落の二極化は、生活格差を生み出すことにも繋がってきます。
総務省の「家計調査」によると消費支出に占める生活必需品の割合は、年収1,500万円以上世帯では39%に対して、年収200万円未満世帯では59%。所得の半分以上が生活のために充てられています。スクリューフレーション現象が続けば低所得層ほど購買力が低下し、富裕層との生活格差は一層拡大します。増税論議は所得格差を生み出していると言っても過言ではありません。

スクリューフレーション:原因はグローバル化への遅れ?
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さらに問題となるのは、年収200万円未満世帯が平成22年現在で全体の2.65%となり、12年以降最大の比率なっています。要因として考えられるのは、日本経済のグローバル化の遅れによって競争力のある「ヒト、モノ、カネ」が海外へ進出し、国内での消費が損なわれたことです。グローバル化による恩恵を受けられずに海外企業との価格競争などにさらされ、低所得者層が一気に拡大。結果としてスクリューフレーション現象が起きているように見えます。

政治の努力、コンプライアンス、労働意欲の改善
日銀は2月にプラス1%の物価安定を示し、政府の経済政策でデフレ脱却を目指したいものの、すぐに改善されることはありません。金融緩和や政策が重要であることは間違いありませんが、厳しすぎるコンプライアンスや、商売したことがない役人や検察が商道徳を無視して罪を作る社会ではグローバル化は遅れるばかりです。さらに就労者の労働意識の改革もとても必要になると言えます。

[2012.5.5]

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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
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