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2月、対米自動車輸出が貢献!貿易収支5ヶ月ぶりに黒字!赤字基調脱出なるか?

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輸出減少幅:9.3%から2.7%減に大幅縮小
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財務省が3月22日発表した今年2月の貿易統計速報によると、米国などへの自動車輸出などが牽引となり貿易収支は329億2,100万円と5ケ月ぶりに黒字に転じました。
黒字転化の要因となったのは、自動車輸出が7.4%増と増加幅が拡大したほかに、円高で低迷を続けた輸出の減少幅が前年同月の9.3%減から2.7%減に大幅に縮小したことによります。タイの洪水被害による減少幅も、急回復で取り返す結果となり、今後も増加幅の拡大が見込めます。

インフレ誘導、物価上昇1%目指す:日銀
日銀は2月14日、資産買入れ資金を10兆円増額し1%のインフレ、物価安定を発表。1週間後には70円台から80円台に円安となり、輸出産業には追い風となりました。日銀では1%の物価上昇達成まで金融緩和を続ける意志を表明しており、3月の金融政策決定会合こそ追加緩和を見送ったものの、「円」は6週連続して続落を記録しました。


米国向け11.9%増、EU、中国向け輸出は二桁減少
5ケ月ぶりの黒字転化に財務省では、貿易赤字基調から脱したかは「見極めが必要」と慎重な姿勢を示しています。地域別では米国向けの輸出が11.9%増と2桁の伸びを見せましたが、EU(欧州連合)向けは10.7%減、中国向けは13.9%減と5ケ月連続減少しています。

原発の代行発電:火力発電の燃料輸入は急高騰
一方、輸入は原発事故の影響で再開に目処のたたない原発に変わり、火力発電の燃料となるLNG(Liquefied Natural Gas:液化天然ガス)が53.8%増と目立っています。エネルギー政策が進まないなか、LNGの輸入は当面続く可能性が高く、足もとの円安の動きから価格上昇の懸念が残ります。
輸入原油単価は、1kL当たり前年同月比13.5%増の5万6,402円。ドルベースでは同比21.2%増の1バレル116.3ドルでした。財務省では、円安の影響について「どこまで影響しているかまだわからない」とコメントしています。

平成24年1月期は過去最大の貿易赤字1.5兆円
輸出大国として経済を牽引した日本は昨年,31年ぶりに貿易赤字に転化。今年1月には月間では過去最大となる約1.5兆円の赤字となり赤字基調が定着するのか懸念されましたが自動車産業などの踏ん張りで黒字に転化。しかし、2月としては昭和54年の統計開始以来2番目に低い水準となっています。
円安傾向で自動車産業など息を吹き返しつつあるものの、電機・電子産業は薄型テレビなどアジア新興国メーカーの台頭で大きく方向転換が迫られています。成長著しい市場のニーズを見極め新たな輸出産業の成長支援,政策が求められます。

[2012.3.27]

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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
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