ロプロ・「武富士」ブランドで貸付けを再開!零細企業つなぎ融資に「ヤミ金」闊歩、東京都実態調査開始
方針転換!保証業務特化計画が武富士ブランドで新規貸付け再開
中堅ノンバンク・Jトラストは、経営破綻した武富士の消費者金融事業をグループ企業のロプロへ承継。当初は新規の貸付けを行わない計画でしたが方針を転換。武富士ブランドの高い知名度を利用して新規の貸付け業務を電話とネットのみで再開しました。無人契約期や店舗を利用した貸出しは行わないとしています。
Jトラストは3月1日、武富士を傘下に収めた際には、業務提携した金融機関に貸付債権を売却。債権の信用保証業務などに特化する計画でしたが、一定規模の貸付け残高の維持が効率的に資金を活用できることから新規の貸付けを再開としました。
違法貸金業:ネットで勧誘、掲載し放題
平成22年6月の改正貸金業法の完全施行により、総量規制の導入で債務者は年収の1/3までしか借入れできず、多重債務者は減少したものの、つなぎ融資のニーズが高かった中小・零細企業経営者の資金繰りに大きく影響を与えました。さらに同じ年、武富士が破綻になり、過払い金返還の請求が急増、消費者金融業界は一気に縮小しました。
一方、規制が強化されているとはいえヤミ金やクレジットカード現金化など水面下では、資金需要者のニーズの高さから資金調達がとても活発となり、法定外金利の請求などしばし報道されています。ネットで検索すれば正規業者とは言えない比較サイトなどは依然目に付きます。
貸金業法で借入れできなかったとき「個人消費の抑制」が5割
消費者金融市場は、平成20年3月から23年3月までの3年間で貸金業者数は72%減、貸出し残高は消費者向けで47%減、事業者向けは30%減と消費者金融の資金供給は大きく減少。
日本貸金業協会が今年2月に発表した「資金需要者の現状と動向に関する調査」によると、貸金業法改正で希望通り借入れできなかった事業者の取った行動として「個人消費の抑制」が51%と最も多く、「親類から借入」が34%、「国保など納税支払繰り延べ」が29%と続きました。事業者によっては借入れることで事業が好転する企業もあるはず。聞き取り調査などデータ蓄積の必要性が求められます。
大阪府資金需要実態調査に石原都知事「東京の役人も足にマメを作って仕事拾うべき」
大阪府ではすでに中小・零細企業の資金需要者などへ実態調査を行い「貸金特区」など提案を行うものの、ヤミ金利用者数などデータがない理由から金融庁からは「必要ない」と突き返されています。東京都では、公明党議員が独自に零細企業事業者を調査。零細企業の現場ではつなぎ資金の調達に困り、「銀行は時間がかかる」。事業者向けローンは「コストが合わない」。個人で消費者金融へ出向けば「総量規制で貸せない」と、親類・知人なども不景気から調達できず「ヤミ金」を利用したことが判明しました。相談にくるのを待っているだけでは事業者の実態を把握することはできません。
これを受けた石原都知事は、「大阪の努力を初めて聞いた。東京の役人も足にマメを作って仕事を拾うべきで早速命ずる」と実態調査へ明言しました。中小、零細企業に必要なつなぎ資金の調達へ武富士のように事業継続、再開が望まれます。
関連記事:大阪府、業を煮やして特区提案!貸金これが実情 [2010.7.8配信]
[2012.3.26]
トラックバック(0)
このブログ記事を参照しているブログ一覧: ロプロ・「武富士」ブランドで貸付けを再開!零細企業つなぎ融資に「ヤミ金」闊歩、東京都実態調査開始
このブログ記事に対するトラックバックURL: http://www.h-yagi.jp/mt5/mt-tb.cgi/821
コメントする