街角景気は改善:先行きDIは4年10ヶ月ぶりの高水準!自動車、住宅、防寒用品が好調/春の観光商戦を妨ぐ原油急騰
内閣府景気調査:円高一服、株価上昇、2ヶ月ぶりに街角景気改善
内閣府は3月8日に2月の景気ウォッチャー調査を発表しました。このなかで示された街角景気は、景気の現状判断DIが45.9と、前月比1.8ポイント上昇し、2カ月ぶりの上昇となりました。内容を見ても、企業動向関連、雇用関連、家計動向関連全てにおいて上昇しています。
この現況判断DIは50が横ばいを示す水準となっており、このラインは7ケ月連続で下回っていますが、内閣府はこの調査の判断を「依然として円高の影響が残るものの、緩やかに持ち直している」と表現しました。円高が一服していることに加え、株価上昇、米国経済の3%成長予測、欧州信用不安の安定化などから「大手メーカーに安心感が広がっている」といった雰囲気です。
エコカー減税・防寒商戦で好調/「消費増税」で住宅建設駆け込み需要急増
現状改善の理由として、エコカー減税や補助金による自動車販売の増加や、冬季の寒波が長く続いたことにより衣料品や住生活関連の防寒商材が好調だったことなどが挙げられました。東日本大震災から1年が経過し、小売業界では今後、来客数の増加や客単価の上昇、買い控えられていた贅沢品の購入が増加することへの期待感も強まっています。
この期待感も相まってか、2~3カ月先を見る先行き判断DIは50.1で、前月比3.0ポイントと大きく上昇。2カ月連続で上昇して50の水準を上回りました。これは平成19年4月以来、58ケ月ぶりの高水準です。
また、住宅の注文が異例の増加を見せているとの声もあります。野田佳彦首相が消費増税前を明言しましたが、「家を建てるなら増税前に」といった駆け込み需要があるようです。
150円/1Lの大台突破!春の観光シーズン目前にガソリン急騰
景気に明るい兆しが見えてきたところで、暦は3月。本格的な春の観光シーズン入りも間近です。昨年のこの時期はまったくそれどころではありませんでしたが、現在震災復興が進む東北の地にも多くの観光客を期待したいものです。
ところが、気にかかるのはガソリン価格の急激な値動き、核開発抑止に絡むイラン情勢の緊迫化により、2月中旬ごろから世界的に原油価格が急上昇しているのです。
石油情報センターが3月12日(第2月曜)時点でまとめたレギュラー1リットル当たりの国内ガソリン平均価格は、前週比で3.4円高い152.6円と、急激な上昇傾向を示しました。都道府県別に見ても、多い地域では前週比約5円、1ヶ月前と比較すると10円以上の値上がりを示す地域も少なくはありません。2月下旬からこれまでに150円の大台を突破している地域がおよそ半分。確かに、東京と無いでも150円台中盤の価格表示が目に付くようになってきました。
「採算合わぬ」の悲鳴:大雪厳冬で苦しむ農家に追い撃ち
当面の動向では、原油価格の高止まりに対する警戒感が強まっているようです。石油を原料にした合成樹脂やポリエチレンなど自動車部材をはじめ、配水管などに使用する塩化ビニール樹脂に関しては、4月をめどに値上がりの動きが示されています。
平成19~20年の原油高騰の際には、包装材料などの価格上昇から冷凍食品の値上がりが相次ぎ家計を圧迫した経緯がありました。景気が減速基調の現状では「想定内の動向」とし、経営努力で何とか乗り切ろうとする企業側の姿勢も垣間見えます。しかし、今時期ハウスで野菜を栽培している農家では、暖房用灯油の高騰に四苦八苦しています。例年にも増して寒さが厳しく、降雪量も多い冬が追い撃ちをかけ、採算の合わない生産の現状に悲鳴が上がっているというのが現実の問題です。
[2012.3.17]
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