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中国、家電ハイアール:三洋「アクア」を譲受け日本市場に参入!/ハイアールの戦略:東南アジア販売拠点を日本に!

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「ハイアール」+「アクア」で国内売上500億円へ!120315_1.jpg
中国の家電大手・ハイアールは、パナソニックグループとなった三洋電機の白物家電「アクア」ブランドの事業譲渡を受け今年、日本市場で500億円の販売計画を発表。国内市場の構成比15%を狙い洗濯機や冷蔵庫を投入するとしています。

平成14年に日本市場参入したがマーケティングで苦戦
ハイアールは、平成14年に自社ブランドで日本市場へ参入したものの、マーケティングに苦戦しており昨年の売上高は108億円にとどまっています。今後は、日本で既に知名度の高い「アクア」ブランドの投入で、「ハイアール」と2本立てで日本市場のシェア拡大を狙うとしています。

ハイアール:北京オリンピックの公式スポンサー
ハイアールグループは昭和59年に設立。本社は中国の青島市で従業員は約7万人。家電販売の他に旅行代理店や保険事業などを手がけています。昨年の白物家電の世界シェアでは7.8%と3年連続首位を維持。世界165ケ国で販売され、4年前の北京オリンピックの公式スポンサーになるなどグローバル企業に成長しています。

東南アジア6ケ国の販売拠点を大阪に
同社では、「アクア」参入と同時に東南アジアの本部を大阪に設け、タイやベトナム、インドネシアなど6ケ国で白物家電の販売攻勢をかけるとしています。東南アジアでは定着した「ハイアール」ブランドで市場を開拓し「アクア」ブランドは、日本国内のみの展開としています。

「安かろう悪かろう」は払拭!ハイアール張会長「将棋は強い相手と打つ」
ハイアールの張会長は同社の設立当初、生産した冷蔵庫400台から76台の欠陥を見つけ、ハンマーで叩き壊すなどパフォーマンスを披露。中国メーカーながら「品質重視」を強調してきました。技術大国、日本に東南アジアの販売拠点を置く理由については「将棋は強い相手と打つ」と強気の姿勢を示します。
「安かろう悪かろう」のイメージはそう簡単には払拭されませんが「アクア」は日本の高い品質と生産管理により生産されています。「量から質へ」「メーカーからブランドへ」国内消費者の反応が注視されます。

洗濯機国内市場:単身、夫婦世帯の増加で小型化
白物家電は、その国の生活習慣に対応したものづくりが必要です。洗濯機など日本は欧米の豪快な叩き洗いと異なり、布地にもやさしく音の静かさに人気が集まります。さらに単身世帯や夫婦世帯など核家族化、単身赴任などの増加で操作が簡単、高性能、小型化にも人気が集まります。このような日本独特のニーズに国内メーカーは対応し続けました。このようなマーケティングによって海外ブランドの参入を阻んできました。

白物家電は「便利」がコンセプト!
国内メーカーは、デジタル家電製品が新興国メーカーの品質向上により近年苦戦してきましたが、白物家電はその国の生活様式に合わせた製品が求められています。白物家電では国内で圧倒的なシェアを持つ国内メーカーですが、今後も生活様式に合わせた家電を次々開発し、海外市場でも地元の生活様式に合わせた「便利」をコンセプトに巻き返を図って貰いたいものです。
[2012.3.15]

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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
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