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「商標権侵害物品」ブランドコピーなど:入国差止め2万件超!9割が中国発、「有田焼」「クレヨンしんちゃん」も

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税関で差止め、毎日60件、商品点数2,000点
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財務省は3月1日、昨年の全国税関における知的財産侵害物品の差止め件数が23,280件と5年連続で2万件を超えたと発表しました。1日当たりの差止め件数は平均で60件。点数では昨年比で15.5%増の約2,000点、年間728,234点が税関で差止められました。
輸送形態では、郵便物での輸入が全体の94.0%を占め、一般貨物の占める割合は低いものの、前年から45.9%増加しています。財務省では、靴や衣類、携帯電話や付属品など増加傾向にあり、郵便物、一般貨物とも前年に比べ差止め点数は増加としています。

9年前、「中国」「韓国」同レベル、近年韓国の取り締まり強化で急減
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国別の差止め件数では、中国が21,235件と構成比91.2%と圧倒しており、香港が同比3%の703件、フィリピンが同比2.1%の488件と続きます。差止め点数でも中国からの商品が76.7%を占め558,522点となっています。
件数、点数とも香港が前年から増加傾向にあるものの、中国からの知的財産侵害物品が差止められる一極化は進んでいます。
平成18年には、中国の差止め件数は構成比で48.2%と昨年の半分。韓国が同比44.5%と続いていましたが、韓国は年々減少傾向にあり、昨年は同比1.9%と急減しました。減少した要因には複数の要因が絡んでいますが韓国税関が仁川空港などで輸出の取り締まりを強化したことが大きく影響しているようです。

知的財産のうち9割超えが偽ブランドなど「商標権侵害物品」
知的財産侵害物品の中でも偽ブランド品などの「商標権侵害物品」が22,843件と構成比で97.5%、商品点数でも同比77.9%の567,107点と大半を占めます。次いでキャラクターグッズなどの「著作権侵害物品」が同比2.1%で484件、点数では同比16.0%の116,662点となっています。
結果として、昨年は中国からの偽ブランドやコピー商品が税関によって輸入を未然に防いだ事となりました。日中韓では毎年、関税局長・長官会議知的財産作業部会を開催。ネットに知的財産侵害物品の取締り要項を3ケ国語で紹介することになりましたが、日韓は実施済みですが中国は依然「掲載予定」のままです。同作業部会ではWCO(World Customs Organization:世界税関機構)と連携し、取り締まり能力の向上を目指します。

「iPad」商標権、中国IT企業主張!「有田焼」「クレヨンしんちゃん」も中国企業が登録
米アップルの「iPhone」など偽ブランド商品が出回った中国では、同社のタブレット端末「iPad」の中国での商標権をめぐる裁判が中国各地で始まりました。米アップル社と深セン市のIT企業・唯冠科技は、互いに「iPad」の商標権を主張。中国国内でも人気の商品だけに今後の動向が注目されます。
商標登録には、先に使ったことを重視する「使用主義」と、先に商標を登録したことを重視する「先願主義」があり、米国では「使用主義」を重視する一方、日本や中国では「先願主義」が採用されています。グローバル化が急速に進むなか、日本企業にとっても社名や商品名を守ることはもう他人事ではありません。「有田焼」や「クレヨンしんちゃん」まで日本企業が持つ商標は、すでに中国で登録され、進出の際には障壁となりうる状況となっています。

[2012.3.7]

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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
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