「出版デジタル機構」新設!中小出版社に電子書籍化のインフラ整備を提供でソフト拡充
ライバル出版社共同で電子化普及:20万点から100万点へ市場拡大
国内の大手出版社などは、電子書籍のソフト不足を解消し、普及を図るため共同で出版物の電子化を請け負う「出版デジタル機構」を4月2日設立します。同機構は、講談社や小学館、集英社などライバル関係にある出版社、およそ20社が前例のない形で資本を出資。現在、約20万点が販売されている電子書籍市場を100万点市場に拡大するとしています。出資総額は約20億円になる見込みで国内180の出版社も設立に賛同しています。
国内の電子書籍は、約9割が携帯電話向けのコミックなどで、スマートフォンの急増や、タブレット端末などの普及に比べてソフトが不足状況。「出版デジタル機構」の設立で出版社の承諾が得られれば全ての本を同機構で取扱い、一般の書籍も電子書籍の形で提供するとしています。
中小出版まとまり一括で電子化、「コストダウン」で外資企業とも平等に交渉
「出版デジタル機構」では、中小出版社でもコストをかけずに書籍の電子化が図れるようインフラ整備を早期に目指します。中小出版社は、同機構に書籍を提供するだけで初期費用などはかからずづ足んなく電子化が図れるとしています。同機構では、出版社と流通業者や電子書店の間に立ち、電子化したデータを卸売りするとしています。中小出版社がまとまり一括で請け負うことで全体のコストダウンが図られ、外資企業とも平等な交渉に望めるとしています。同機構では、今年前半には本格的に始動し、中小の多様な出版物を電子化して市場の成長を目指すとしています。
被災地出版社優遇:国の金融支援、電子化に2/3補助
経済産業省では、補正予算10億円で出版社が電子化を推進する「コンテンツ緊急電子化事業」を創設。電子書籍化に国が50%、東北被災地での出版書籍に関しては66%補助、雇用も創出するとしています。「出版デジタル機構」を介して出版社への負担を軽減、電子書籍化による売上から相殺するしくみを検討しています。
米国アマゾンではすでに100万点を超える電子書籍を販売。報道では日本国内の販売点数と比較され圧倒的な大差を見せつけられます。国内では毎年新刊書籍が約8万点弱発売されるのに対し、文芸系の電子化は約3万点。国の支援、機構の電子化推進で魅力ある市場を目指します。
黒船来襲!アマゾン、今春、国内電子書籍市場参入
米国アマゾンが4月に電子書籍端末「Kindle(キンドル」を発売と報道がありました。携帯回線(3G)はNTTドコモが提供し電子書籍を購入できるようになるようです。価格は昨年11月に米国で発売された「Kindle Touch」同様、価格破壊と呼ばれた1万数千円程度になる模様です。
アマゾンは、「出版デジタル機構」を通じて、コンテンツ契約に関して一括交渉を行う模様でアマゾンや電子書籍を扱う企業サイトにとってはソフト拡充が図れ追い風となりそうです。未だ黎明期にある国内電子書籍市場を活性化し、業界の資金や国の補助金を有効に活用し市場拡大を図ります。
●関連記事:米アマゾン・日本の電子書籍市場参入:「電子書籍普及元年」の起爆剤!「本離れ」食い止めの鍵?[2012.2.7配信]
[2012.2.29]
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