「武富士」新スポンサーにJトラスト:消費者金融事業を承継!韓国「A&P」とは契約打切り
商工ローン大手・ロプロが武富士の事業承継
会社更生手続き中の消費者金融大手・武富士は昨年12月28日、中堅ノンバンクのJトラストとスポンサー契約を締結したと発表しました。武富士は、これまで韓国の消費者金融大手A&Pファイナンシャルとスポンサー契約を結んでいましたがA&Pは資金繰り悪化、280億円の買収資金を用意できず武富士支援が困難となり契約を解除しました。新たにJトラストとスポンサー契約契約を結びました。
Jトラストは、252億1,342万456円を投じて今年3月1日に完全子会社の商工ローン大手・ロプロを承継会社とし、会社分割(吸収分割)によって武富士の消費者金融事業を継承します。
武富士管財人「実現可能性なければ選ばない」にJトラスト「一度は撤退」
Jトラストは、金融サービス事業を運営する企業を持つホールディング会社で大阪証券取引所第2部に上場。ロプロのほか、阪急電鉄系の消費者金融会社・ステーションファイナンスなどを買収して規模を拡大してきました。新スポンサー決定の要因には、金融サービス企業の再建手続きの実績もあり相応と判断されました。
昨年4月、A&Pが武富士のスポンサーに決まった際、Jトラストは応札額310億円、武富士の従業員700人を引き継ぐなどを提案。武富士の管財人はこれに対し「応札額が高くても実現可能性がなければ選ばない」とA&Pを選定しました。Jトラストは「公平性、透明性が担保されていない」として選定から撤退したいきさつがあります。
A&P:韓国内法定利率39%でも49%で貸付、韓国当局が摘発
一方、武富士支援を断念したA&Pは、韓国では「ラッシュ&キャッシュ」の名で消費者金融業を展開しており、国内では最大規模を誇ります。しかし、昨年12月20日、「ラッシュ&キャッシュ」が韓国の法定利率39%を上回る44~49%の高金利で貸付したとして金融監督院が摘発。今月中には営業停止処分が下されるとしています。
プロミスやアコムなど大手消費者金融がリストラにより店舗を縮小するなか、武富士には約130店舗が残っており、A&Pにとって日本市場参入の魅力は大きかったに違いません。
消費者金融:12年で業者は1/12に減少
昨年末のドタバタ劇で今年3月以降、武富士の金融サービス事業が円滑に進むのか懸念も残ります。平成22年6月の改正貸金業法の完全施行により、年収の1/3までしか借りられない総量規制や金利上限規制などの影響で街の消費者金融は急減しました。
金融庁によると、平成23年3月末時点で消費者金融業者は2,589業者となっており、平成11年の30,390業者の1/12にまで落ち込みました。Jトラストのスポンサー契約締結は、これ以上の消費者金融減少を抑えられるか注目されます。
[2012.1.10]
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