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サンヨーが消えた日/本社ビルの「SANYO」ロゴ看板撤去、「Panasonic」に

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 「SANYO」のロゴ、来年1月「Panasonic」のロゴに付け替え
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三洋電機がパナソニックの傘下に入っておよそ2年。「パナソニック、三洋電機を完全子会社化」と報じられたのが今年の4月。12月23日、大阪府守口市にある三洋電機の本社ビル壁面に掲げられていた「SANYO」のロゴ看板がとうとう撤去されました。25日には「Panasonic」のロゴマークが新たに設置されています。今後、三洋電機のほかの拠点においても同様の作業が行われ、来年1月のパナソニックグループの新体制移行に伴い「Panasonic」のロゴに付け替えられる予定とのこと。

消えた「SANYO」/本社ビルのロゴ看板撤去
ビル10階部分からクレーンで一文字ずつ降ろされる様子を報じる映像の中には、残念そうな面持ちで見守る社員や、複雑な気持ちで見守る地元の方の姿も見られました。サンヨーは平成11年の本社完成時から地域に親しまれてきたロゴが消えてしまうのは寂しいものでしょう。

「良いもの安く」で高度経済成長を牽引
「SANYO」といえば「高品質かつ低価格」で知れた、日本の高度経済成長を象徴する電機ブランド。社是に「顧客主義」を掲げる企業は数多ありますが、ブランド代を価格に上乗せすることなく、実直に商売を続けたその姿勢は、簡単に真似できるものではありません。掃除機、電機釜からテレコ・ラジカセ、携帯電話などにおいても「他社製品に乗り換えられない」と語るファンは多く、比較的最近の商品であるエネループやGOPANなども、すっかり馴染み深いものです。学生時代には、1人暮らしを始めるにあたって「家電は全てSANYOで揃えた」と自慢する友人もいました。

社会に求められているのは何か!理念や社風を受け継ぐ土壌を!
惜しむべきは、あまりにも顧客に寄り添いすぎたということでしょうか。SANYOブランドの消滅は、利益の追求を視野から外してしまっていたためではないかとも思えてなりません。
戦後の日本と共に育ってきた65年間というその歴史にピリオドが打たれたという事実は、平成20年に「National」ブランドが「Panasonic」に統一された時と同じく、時代を象徴する大きな出来事であることは間違いありません。
今後、電機業界の再編も加速することが予想されます。「社会に求められているのは何か」ということを常に忘れず、が、ブランド名と歴史を預かることになる企業にはその理念や社風も受け継がれるべきと考えます。経済合理性の外側にあるブランドを大切にしてほしいものです。

[2011.12.29]

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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
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