タブレット型市場拡大の予測:アップルは利便性、アジア勢は低価格、日本は高機能?で勝負
伸びる「iPad2」の陰で「ガラパゴス」は販売終了
今年4月に発売されたタブレット型多機能端末機(タブレット端末)、米アップル社の「iPad2」の電子部品を出荷している台湾のFoxcom社は、第3四半期(10~12月)の出荷数を1,400万台から2,000万台へ上方修正すると発表。スマートフォンが急速に普及し始め、追い風となるようにタブレット端末市場は拡大を見せます。
一方、昨年12月に発売されネーミングでも話題となったシャープの「ガラパゴス」は、「iPad2」の人気に押され進化せず今年9月末で販売を終了しました。
タブレット端末所持者:お風呂の中でまでゲーム?
モバイル機器の調査会社、MMD研究所(東京都渋谷区東3-25-11 責任者:吉本 浩司氏)が11月に「タブレット端末の所有率及び、満足度調査」によると、タブレット端末非所持者に「購入しない理由」を聞くと、所持している「スマートフォンで満足」が59%とトップ。6月の調査で36.1%とトップだった「価格が高い」はわずか2.6%に減少しました。
アジア勢の低価格タブレット端末の参入で消費者のタブレット端末に対する「高い」意識は払拭されたようです。一方、タブレット端末に「追加して欲しい機能」では「防水」が68.6%と高い支持を見せています。お風呂に入ってゆっくりゲームを楽しむコマーシャルが放映されそうです。
中国メーカー:低価格、軽量、小型で女性ターゲット
セキュリティソフトなど開発する中国の金山軟件の子会社、キングソフトは12月8日、来年1月に7インチタブレット端末「エデンタブ」を29,800円で発売すると発表しました。新たに3万円を切るタブレット端末の参入に市場では価格競争など懸念が残ります。7インチサイズでは後発となるだけに低価格でも高性能を訴求するとしています。
「エデンタブ」は軽量化が追求され横幅も11.8cmと女性をターゲットに捉えているようです。消費者向けの他にもOEM(相手先ブランドによる製造)供給を視野に入れ、女性客の多い化粧品メーカーなど優良会員向けにプレミアムとしての活用が予測されます。
タブレット端末:教育や福祉、ビジネスチャンスの可能性
国内タブレット端末メーカーはアジア勢の参入に、スマートフォンや薄型テレビなどと同様に、低価格競争に巻き込まれてしまう感があります。しかし、増産体制の「iPad2」の価格は4万円台から。「iPod」、「iPhone」など統一性心理が働くものの、拡大の可能性はコマーシャルを見れば分かる気がします。子供が算数を学ぶ姿や、若い家族が祖父母とビデオで会話する姿。高機能を訴えるよりもタブレット端末を持てば「誰が何をできるか」を訴えることが必要に思えます。
タブレット端末はパソコンと異なり操作は、基本的に指一本。ビジネスやゲーム、読書以外にも子供の教育や福祉などアイディア次第でビジネスチャンスは広がりそうです。
[2011.12.13]
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