東京都「独自送電網」敷設/資源エネ庁:自家発電設備補助金5億限度、「使う」から「つくる」電力へ変革!
経産省節電要請:自社発電分は節電分としてカウント
経済産業省は、今冬の原発停止による電力供給不足に対応するため、関西電力管内に10%以上、九州電力管内に5%以上の自主的な節電を呼びかけています。このような影響から11月16日には、電力需給対策として企業の自家発電設備の活用に関する指針を発表しました。
自社で発電した電力を電力会社が買取った場合、その分を自社の節電分としてカウントすることを認め、企業に対して自家発電の活用を促し、生産への影響を抑えるとしています。同省資源エネルギー庁では、両社管内の化学や製紙工場など大手20社程度の活用を想定しています。
資源エネルギー庁:自家発電設備補助「期待したほど集まらなかった」
企業の自家発電による発電コストは、電力会社の買取る市場価格よりも高い場合が多く、このしくみを活用しても企業は実質赤字となります。しかし資源エネルギー庁では、たとえ赤字であっても生産を縮小する方が痛手となると見ているようです。
経済産業省は11月1日から電力供給不足が懸念される地域において、自家発電設備の新設や増設、廃止設備の再稼働に対して、設備の導入補助を公募しています。10%以上の節電を要請される関西電力管内では11月24日現在、近畿経済産業局への応募は16件にとどまっています。同局では、「全国で最も厳しい状況におかれているが期待していたより集まらなかった」とコメントしています。
10%節電は生産には影響大だが、補助金半分では・・
発電設備導入の補助金は、中小企業の場合、1/2が補助され5億円を上限としています。資源エネルギー庁では、第3次補正予算に300億円を計上、最も期待していた関西圏が申請16件で補助額は17億5,000万円となっています。全国には近畿を含めて8経済産業局があり、同様の公募を行っていますが300億円には遠く及ばない可能性が高くなりました。
震災による原発事故の影響で検査中の原発の再稼働が見送られるなか、製造業などにとって電力は生産維持に欠かせません。さらなる企業への緩和策や優遇措置、短い公募期間などの見直しが必要です。
東京都・臨海副都心:東京電力から独立した送電網敷設
自家発電は産業界以外、自治体でも積極的に進められ、東京都は11月21日に長期間の大規模な電力不足に備えた防災計画をまとめました。計画では、原発事故による電力供給不足で首都機能がマヒした経験から、都内の防災公園にガス発電施設を設置したり、東京電力から独立した送電網を臨海副都心に敷設するとしています。
東京都の発電・防災計画は他の都市の対策にも影響を与えることになりそうです。企業や自治体などの発電への認識、さらには家庭でも意識は高まり「使う」だけの電力は「つくる」電力へ大きく変革しています。
[2011.11.28]
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