待機児童:都市部中心に2万人超! 解消狙う「子ども・子育て新システム検討会議」/民間企業の新規参入拡大
子どもが減っても待機児童は減らない?共働き増加を背景に
現代の日本では、雇用環境下で男女平等が推進されるに従って共働きの家庭が増加してきました。また長引く不況から共働きが加速し、保育所に通う子どもはこの10年以上増え続けています。厚生労働省の集計によると、保育園に通う児童の人数は今年4月1日時点で約212万3000人(前年同期比約4万3000人増)。少子化が進むなかでも、1年間でおよそ5%も増加しています。
待機児童4年ぶり減少!
それ以上に著しいのが待機児童数の増加。昨年まで3年連続で増えていましたが、同調査によると、今年は前年同期より719人少ない2万5556人と、4年ぶりに減少に転じたとのことです。政府や自治体の予算投入により、保育所の新設や、既存の保育所でも受け入れ人数の基準を引き上げ、定員を増やすなどの対応を行った結果です。
子育て環境に新システム導入目指す/政府:首都圏・僻地中心に整備の方針
とはいえ、未だに待機人数が2万人以上いることを考えると十分とは言えません。
政府は平成25年度から「子ども・子育て新システム」の導入を目指しているとのこと。主軸となるのは、待機児童の8割以上が集中する首都圏や政令指定都市などの都市部と、人口減少により定員の確保が困難な僻地における保育環境の整備です。
規制緩和で民間企業の新規参入促進
待機児童の早期解消に向けて、保育所運営の規制緩和も進められています。新システムにおいては、一定の基準を満たせば、企業が運営する保育所にも公的補助を与える方針が示されました。既に、介護事業大手のヒューマンライフケアが東京都の基準に従った保育所を開設するなど、民間参入が広がりつつあります。また、通常の保育加え、発熱など体調不良の乳幼児を預かる「病後時保育」など、サービスを拡大する企業も。自治体などが運営する認可保育所と比べると保育料金は割高であるものの、今後ニーズが高まることは間違いないでしょう。
低年齢児保育にマンション活用/根強い「保育制度改革=改悪」の呼び声
10月に公表された政府素案によると、都市部では待機児童の大半が0~2歳であることを踏まえ「3歳未満時に重点を置く」旨が明記されています。具体的には、賃貸マンションなどを活用して小規模保育サービス(想定定員20人未満)の展開や、居宅訪問型保育を推進するなどの案が示されました。
しかし、この政府素案に関しては、経済政策や労働政策に偏り、保育の質の低下や不平等性につながるなどの懸念があるとして、反対意見も根強くあるのが現状。政府の進める改革が子どもを預けて安心して働ける社会になることと、子どもたちの健全な育成につながるものであることを望みます。
[2011.11.21]
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