政策金融公庫:ベンチャー企業に新事業育成資金/財務体質強化に「資本性ローン好調」
ベンチャー支援「新事業育成資金」累計5千件突破
日本政策金融公庫では、高い成長性が見込まれる新しい事業に取り組む中小企業を支援するため「新事業育成資金」を平成12年に創設しました。創業間もないベンチャー企業などは、事業実績も少なく民間の金融機関から融資を受けづらいケースが見られます。「新事業育成資金」は、創業間もないベンチャー企業から、第二創業に取り組む中小企業まで幅広く支援。今年10月31日時点で平成12年創設以来、累計実績が5,011社、融資額2,181億円に上りました。
資本の強化特例:融資された資金が資本扱い
最近の融資実績では、平成22年度に融資金額が前年度比134%と増加。リーマンショックからの立ち直りを背景に新事業への取り組みが前向きになってきています。融資先も653社と過去最高を記録、堅調に推移しています。今年度も10月末時点で前年同期比5%増と記録更新の勢いです。
資本性ローン(挑戦支援資本強化特例):新事業育成基金/76社が利用
「新事業育成資金」は、新事業に取り組む中小企業の多様な資金ニーズに対応するため通常の融資条件に加え、財務体質の強化を図るため資本性ローン(挑戦支援資本強化特例)が活用できます。新事業育成基金は、平成20年4月から取扱を開始しており、決算毎ごとに業績に応じた利率が適用されるほか、融資した資金は特例によって金融検査上、自己資本とみなす事ができるメリットがあり、10月末時点で前年同月比31%増の76社が利用しています。
政策金融公庫:被災企業向けには「資本に分類の劣後ローン」
震災による影響で業績が著しく悪化した企業は、事業の再開、継続に向け借入依存が高めまり、自己資本が毀損している状況です。被災企業は、自己資本の充実が図れれば、民間の金融機関から資金調達が可能となり、成長が見込める事業へ取り組める可能性があります。
政策金融公庫では、被災企業に対し金融検査で、「資本」と分類される長期の劣後ローンを提供します。これによって民間金融機関からの被災企業に対する支援がし易くなり、早期復興を支援します。公庫では第3次補正予算で62億3,000万円を計上しました。
新規開業実態調査:3社に2社が黒字、75%が満足
「新事業育成資金」は、成長産業への足がかりとして、復興への事業再開に向け中小企業にとっては資金調達に心強い融資です。
政策金融公庫では、新しい事業に取り組む企業を効果的に支援するため平成3年以来。「新規開業実態調査」を行っています。昨年12月の調査結果では1,359社が回答。採算状況では概ね3社に2社が黒字基調、75%が新事業開業に「満足」と応えています。業種では、事業所向けサービス業や医療・福祉、情報通信が目立っています。
TPPやFTAなどで海外企業との競争がさらに激化する業界もあります。新たな資金調達で成長産業へ参入、体力強化を考えたいところです。
[2011.11.15]
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