東北経済復興の兆し!日銀さくらリポート「震災前を上回る水準」/震災後初 被災3県の失業率公表
10月の地域経済報告:震災地域「景気判断引き上げ」
日本銀行(日銀)は、地域の生産や個人消費などの経済情勢を分析した「地域経済報告(さくらリポート)」を3ヶ月ごとに発表しています。
10月20日、10月の地域経済報告が公表されました。前回の7月調査と比較すると、全国9地域のうち、東日本大震災の影響がまだ大きく残る東北を含めた5地域(北海道、東北、関東甲信越、東海、九州・沖縄)について、景気判断が引き上げられています。
震災地域以外「持ち直し基調」
また、残る4地域(北陸、近畿、中国、四国)についても、「持ち直しの基調に大きな変化はない」として、前回の景気判断は維持しました。供給制約の解消や消費マインドの改善などを背景に、個人消費は6地域で改善。設備投資も、復旧関連投資の増加などを背景に7地域で「持ち直し」の判断を示しており、震災以後の経済活動に関しては全体的に着実な持ち直し傾向を強調しています。
震災地域以外「持ち直し基調」
また、残る4地域(北陸、近畿、中国、四国)についても、「持ち直しの基調に大きな変化はない」として、前回の景気判断は維持しました。供給制約の解消や消費マインドの改善などを背景に、個人消費は6地域で改善。設備投資も、復旧関連投資の増加などを背景に7地域で「持ち直し」の判断を示しており、震災以後の経済活動に関しては全体的に着実な持ち直し傾向を強調しています。
ただし、近畿など複数の地域からは、「海外経済減速などの影響が生産活動の一部にみられ始めている」という報告があるとのこと。今後、マイナスの影響が広がることが懸念されるため、慎重な対応が必要です。
東北の景気:持ち家中心に回復、2四半期連続で上方修正
東北地方の経済動向に関しては、7月判断に引き続き、2四半期連続で景気動向を上方修正。被災地以外の地域で震災前を上回る水準に回復し、被災地の一部で経済活動再開の動きが見られると報告されました。
震災復旧関連工事の発注と震災後に停止していた工事の再開が進むなどしたことにより、公共投資については「持ち直し傾向」にあるほか、設備投資も「増加している」とし、着実な改善傾向が示されています。
震災関連需要などを背景に「増加を続けている」個人消費。住宅設備面では持ち家を中心に「持ち直しの動きがみられている」とのことです。仮設住宅閉鎖の後、生活再建・地域復興のため、被災した方々は自立に向けて地道な努力を重ねています。
さくらリポート「改善傾向」でも完全失業者数は275万人
地域経済報告では、雇用や所得環境に関しても、多くの地域から「改善傾向」を示す報告が上がっています。しかし、被災地をはじめ、全国的に依然として厳しい環境下にあることを指摘する声が多いのが現状。総務省は10月28日に9月の完全失業率を発表しました。国内の完全失業者数はおよそ275万人。完全失業率は4.1%となっています。
9月の完全失業率:全国4.1%に対し福島4.7%、岩手4.1%、宮城5.5%超?
今回の発表では、岩手、宮城、福島の被災3件についても、震災後初めてその数値が公表されました。岩手は内陸部の自動車生産などに支えられ、全国結果と同じ4.1%に止まったものの、福島4.7%、宮城は5.5%と、全国を大幅に上回っています。なお、この数字には各県沿岸部などの一部地域は含まれておらず、実体はより厳しいものと推察されます。復興に向けた歩みが確実さを増していることを足元から実感するためには、雇用の確保がいそがれます。
[2011.11.5]
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