大丸松坂屋・三越伊勢丹・高島屋:高級品4年ぶりの売り場拡大!/自粛の反動?仙台は復興バブル
大丸松坂屋:梅田店10月、秋冬物衣料昨年の2倍販売
百貨店大手の三越伊勢丹、大丸松坂屋、高島屋の3社は11月1日、10月の売上高(速報値)を発表。前月まで落ち込んでいた秋冬物の衣料が伸びたほか、ブランドもののバッグや宝飾品などの高額品が伸びをみせ3ケ月ぶりに3社、ともに前年比を上回りました。
秋冬物衣料は紳士、婦人向け、とも伸びており、伊勢丹新宿店で前年同月比4%台の増加。大丸松坂屋では梅田店が前年同月の約2倍と高い伸びを見せました。今月からは、コートの販売が本格的になるほか、12月のボーナスやクリスマス、年末年始商戦に向け百貨店に賑わいが戻ります。ネット通販が伸びるなか、百貨店への集客で街周辺へ波及効果も期待されます。
1,000万円以上の高級腕時計や宝飾・美術品が消費
震災による自粛、消費マインドの低下が心配された百貨店ですが高額品の販売が好調です。三越日本橋では200万円以上の高級時計が前年同月の2倍売れ、100万円台も同65%増と、景気低迷とは思えない消費ぶりです。
松坂屋名古屋店では、1,000万円以上の高級時計が売れるなど、外商の顧客が牽引し50~60代の消費が目立っています。平成20年のリーマン・ショックや東日本大震災の影響による節約、換え控えの反動や、円高、株安による資産の移転なのか高級宝飾、美術品の伸びが目立っています。震災から8ケ月が近づき、消費マインドの回復が見えてきています。
イタリア高級服カバリ・グループ日本初上陸:2年前撤退のベルサーチは復活
国内市場では、富裕層を筆頭にステータスに敏感な消費者が復興需要を後押し、波及効果となって消費拡大へ動き出す感があります。米コンサルティング会社ベインの試算では、平成23年の日本国内の高級品売上高は2%拡大する見通しを立てました。高級品市場は、売上減少が始まった平成19年に19%縮小しましたが、4年ぶりの市場拡大となります。
今年9月には、イタリアの高級服メーカー・カバリ・グループが東京に初の直営店をオープンさせ、平成21年に撤退したジャンニ・ベルサーチが再び戻ってくるなど、高級品市場の消費拡大で波及効果をもたらせたいところです。
東北百貨店協会:記念品や新居用美術品が好調
被災地では、仙台など大都市圏で賑わいが取り戻してきています。中心街の宿泊施設は満室の状態で、地元の百貨店では高級ブランドを買い求めるカップルの姿も目立ってきました。東北百貨店協会によると、婚約指輪や結婚指輪、結婚記念の高級バッグなどが伸び、新居用に100万円を超える美術品も売れているとしています。
メディア先行で少子高齢化・縮小する市場や消費低迷が伝えられ、洗脳された意識から消費マインドの低下が見られましたが、海外企業では冷静に日本の市場を見つめ必要だと判断しています。くれぐれも後戻りするような政策は避け、消費意欲向上の政策を打ち出してもらいたいですね。
●関連記事:H&M「日本は魅力的な市場」少子高齢化、成長鈍る日本市場でも、来年は店舗倍増計画[2011.8.23配信]
[2011.11.4]
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