国交省・地銀74行と連携!中小・零細建設業、M&A・転廃業、国費で再編支援
今年度公共事業、前年13%増の18兆円超え
被災地の本格的な復興に向け10月28日、約12兆円規模の第3次補正予算を国会に提出、審議が行われています。予算の早期成立で新しい街づくりの一歩を踏み足したいところです。建設業を始め被災地では復興需要に雇用の創出や、関連産業が賑わいを見せます。
今年度の政府建設投資額は、復旧・復興事業を中心に前年度比13.3%増の18兆7,800億円となり、民間の住宅投資も7.0%増の13兆3,000億円、非住宅建設投資が3.6%増の12兆5,600億円と明るい兆しが見え始めました。被災地を中心に建設ラッシュで波及効果が期待されます。
地方の雇用を確保した14年前:全就業者数の1割、685万人が建設就業者だった
国内の建設業は依然低迷が続いており、とくに地方では回復の兆しが見えず地域経済に大きな影を落としています。前年度からの建設投資額は増加傾向にあるものの、成長を続けたバブル期の比ではありません。建設投資額のピークは、政府、民間合わせ平成4年度で83兆9,000億円と今年度の約2倍です。
昭和62年のリゾート法(総合保養地域整備法)や、翌年のふるさと創生事業(自ら考え自ら行う地域づくり事業)などの地方拡大政策により建設産業は成長を続け地域経済を活性化させました。平成9年にはバブル景気が追い風となり建設業の就業者数は685万人に達し、全就業者数の10.4%を占めました。建設投資額が最盛期から半分ともなれば産業も再編せざるを得ません。
国交省:建設業数6~7割に再編
国土交通省は年内にも全国の主要な地方銀行74行と連携し、低迷中の中小・零細建設業の再編支援に乗り出します。国土交通省では抜本的な経営効率化が必要と判断しており、地方銀行と協定を組み、新たな経営戦略の立案や融資を要請。M&A(企業の合併・買収)や転業、廃業などを促すとしています。現在、中小企業は中小企業金融円滑化法のリスケジュールやセーフティネット・緊急保証融資などで延命されていると見られています。再編によって市場に見合った規模に改善し、新たな成長産業への参入が期待されます。
全国の建設業者は今年3月時点で約49万8,000社で、このうちの約6割が資本金1,000万円以下の中小・零細企業です。国土交通省では将来的に事業者数を今の6~7割に再編する必要があると見ています。
転廃業なら厚労省が従業員支援
国土交通省では、全国の出先機関に相談窓口を設置し、M&Aや転廃業のほか、事業承継や新事業への参入などの相談を受けます。相談料は国が補助し、金融機関の担当者や公認会計士、中小企業診断士などとともに新たな事業計画や事業清算方法などを取り決め、必要な資金は同省が金融機関の要請、融資されます。
また同省では厚生労働省とも連携し転廃業に踏み切る建設業の従業員向けに、転職支援や職業訓練などの支援もセットで実施し、再編による失業を防ぐ構えです。ニーズに見合った産業構造の変革に、政府や自治体、関連団体などの支援や政策、規制緩和、優遇措置などは欠かせません。復興事業をバネに、建設業の再編で事業の継続や、新しい産業に活況が期待されます。
[2011.11.1]
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