小さな技術も世界進出!個人事業主にも「海外展開融資」/被災地の酒を海外へ:海外バイヤー招き商談会開催
小規模、個人事業主も海外目指せ!日本政策金融公庫:支援対象拡大
中小企業の海外進出支援の一環として、日本政策金融公庫(日本公庫)は「海外展開資金」融資を設けています。この支援融資制度の利用が増加していることから、政府は平成24年度から、従業員20人以下の製造業や個人事業主にも対象を拡大する検討に入りました。
また、海外進出を目指す中小企業の財務基盤強化を支援する制度も新たに創設する向きもあります。これについては「劣後ローン」を活用し、海外展開後の事業が軌道に乗るまでの返済負担を軽減するとの案。より細かな日本の技術を新興国などへ進出させる後押しをしてくれそうです。
海外バイヤー×被災地酒造メーカー/輸出促進のため商談会共催:ジェトロ・商工中金
東日本大震災の影響を受け、日本からの製品輸出の伸びが全体的に鈍化しています。日本貿易振興機構(ジェトロ)と商工組合中央金庫(商工中金)は、日本の製品を海外へ売り込むため、海外のバイヤーを招いて各種商談会を共催し、国内企業とのマッチングを図っています。10月31日には欧米・アジアの食品バイヤーを6社招き、東日本大震災の被災地の日本酒メーカーとの商談会を開催するとのこと。菊の司酒造(岩手県盛岡市)、奥の松酒造(福島県二本松市)、明利酒類(茨城県水戸市)、月の井酒造(茨城県東茨城郡大洗町)の4社が参加します。
日本酒輸出、過去最高!原発事故後のブランド維持が課題
国内では「日本酒離れ」が進む一方、海外ではヘルシーな日本食が流行するに従って日本酒の人気も高まり、輸出量も年々右肩上がりで推移しています。昨年は1万3770キロリットル、およそ85億円と、過去最高を記録しました。
ところが、東京電力福島第一原発事故による風評被害を受けて、安全性が問われ、海外取引が落ち込んでいます。日本の食品のブランド維持・信頼回復という大きな課題を克服できれば、更なる躍進が期待できます。
酒好き食通相手に和文化売り込み:鍵は「フランス式獲得術」に見習う
観光先進国であるフランスは、ワインと共に自国の食文化と食材を世界中に広めました。そしてその愛好者を観光客として獲得し、国内での消費を増やす、という「勝ちパターン」を持っています。これには日本も見習うべき点が多いでしょう。ブーム加熱と共に、欧米では「SAKE」の呼び名が浸透するまでになりましたが、「日本酒」というだけあって、国外製造での代替は考えにくいもの。ここに復権の好機があると思われます。
[2011.10.31]
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