中国から日本へ生産拠点逆移転で営業利益10%UP!日本hp、逆転の発想、ニーズ中心の経営戦略
日本hp:パソコン生産ほぼ全て国内生産
歴史的な円高が続き、企業は生産拠点を海外へシフトし、国内産業の空洞化が懸念されます。一方で、人件費が安いとされる中国の拠点から、今年8月に東京都昭島市にノートパソコンの生産をシフトした日本ヒューレット・パッカート(日本hp)では、コスト削減などの企業努力と国内販売戦略で営業利益率が10%を超えるとありました。
世界の工場と言われ人件費は日本の1/4の中国から、年間生産台数50万台規模の事業を日本に移した日本hpは、既にデスクトップパソコンを生産しており、ノートパソコン生産の拡大で、国内向けのパソコンのほぼ全てを国内で生産することになります。
納期短縮、企業ニーズを捉えシェア10%から20%に拡大
昭島事業所では、従来より3割狭いスペースでパソコンが生産され、狭くなったことで生産ラインが短縮。スペースを確保するために整理整頓が徹底、作業効率が向上し、ラインが短くなった分従業員の無駄な動きもなくなりミスは減少とありました。
日本hp、Made in Tokyoのデスクトップパソコンは、中国での1/3と納期の大幅な短縮で、企業向けなど納期を重視するニーズにこたえ、生産当初10%だったシェアは、20%に上昇しました。こうした実績からノートパソコン生産の国内移転を米国本社も認めざるを得なかったのでしょう。昭島事業所の平成23年度の生産台数は140万台、従業員は450に増加しるなど地域の活性化にも繋がっています。
日本hp岡副社長「損益を左右する機会の損失や、過剰在庫を避けられる利点が大きい」
ノートパソコンの場合、生産を中国から日本に移しただけでは1台当たりの収益は減少とあります。日本hpは、国内生産の小回りが利くメリットを生かし、顧客ニーズを担うアプリケーションのインストールなど外注作業を内製に変えることでコストを抑え、顧客ニーズに応えるとしています。
コスト削減のためアジアなど海外へ生産を移転する製造業が多いなか、法人の一大消費地である東京近郊に生産拠点を戻し、顧客拡大を目指します。日本hpの岡副社長は「損益を左右する機会の損失や、過剰在庫を避けられる利点が大きい」と国内生産での収益確保に自信を見せます。
中国の人件費さらに上昇
昭島事業所の清水所長は、東京生産にこだわる一番の理由に「お客様により近いところでサービスを提供したい!」に尽きると語ります。「近い」という物理的な意味合いだけでなく、顧客の声が直接生産ラインに伝わり、従業員の意識にも深く関わるとしています。
日本hpは法人向けから、個人向けにも販路を拡大、アジア諸国からも引き合いが来ているようで、Made in Tokyoのパソコンが輸出される可能性も高まります。岡副社長は、「中国の人件費はこれからさらに上昇するだろう。国内生産の優位性はむしろ増すのではないか」と見ています。円高=海外移転の常識に、発想の転換が必要です。
[2011.10.13]
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