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ル・マン24制覇でもエコには勝てない!マツダ・技術屋の誇り、ロータリーエンジン生産終了

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世界初!ロータリーエンジン搭載、量産車開発に成功
111012_1.jpgマツダは10月7日,高出力のロータリーエンジンを搭載するスポーツカー「RX-8」の生産を来年6月に終了すると発表しました。ロータリーエンジンは小型で軽量、馬力もあり世界の自動車メーカーが研究,開発を行いましたが量産化に成功したのは唯一マツダだけです。

ロータリーエンジンはドイツ人の発明!マツダが特許取得
ロータリーエンジンは、通常ピストンの上下運動で回転にするエンジンと異なり,ピストンの代わりに3角形のローターを使いローターハウジングの中で回転させ出力軸を駆動する技術。もともとはドイツ人の発明でしたが実用化には至らず、マツダが特許権を取得し、マツダ技術屋集団によって世界初のロータリーエンジン搭載の量産車「サバンナGT」を昭和47年に発売。昭和53年には「RX−7」に受け継がれロータリーエンジンの歴史を承継してきました。

「RX-8」販売数:6万台から7年で2.8千台に減少
「RXー8」は、平成15年に発売され、翌年には世界で約6万台が販売されたものの、省エネ、環境対応、燃費向上と自動車産業に求められる環境が変わるなか、昨年は2,896台と低迷。さらに来年から厳しくなる安全規制などに対応できないとして発売を終了するとしています。

平成3年、ル・マン24時間レース:マツダ787B(ロータリーエンジン搭載)が日本車として初めて制す
ロータリーエンジンの実力派、スポーツカーブームを牽引し、平成3年には自動車レースの耐久レース世界最高峰「ル・マン24時間レース」でロータリーエンジン搭載「マツダ787B」が日本車として初めて制しました。マツダによると販売は終了するもののロータリーエンジンの研究、開発は継続するとしています。

会社に内緒?ロータリーエンジン開発凍結命令も業務終了後に継続
マツダはバブル崩壊後、経営難から平成8年には米フォード.モーターの傘下となりました。フォード経営陣より燃料効率が悪く採算が見込めないとして、当時マツダのシンボルであったロータリーエンジンの開発の凍結を言い渡されます。
当時、テレビのドキュメント番組がマツダを特集し、「RX−7」開発チームをカメラが追っていました。そこには技術者の「先輩たちが作り上げた技術の火を自分たちが消すことは出来ない」という意地から、会社には内緒で業務終了後、極秘に開発を進められた映像がありました。残業代もなく寝食を忘れ開発に取り組む姿はまさに"ものづくり"日本の技術屋魂集団です。

世界でオンリーワンの技術力も消費者に伝わらなければ・・
燃料効率の向上,環境規制、4ドア4シーターがフォード経営陣が現場へ出した指示でした。マツダ技術屋集団の努力は認められ常識はずれの4ドアのスポーツカー「RXー8」の開発が決定。発売と同時に注目を浴び平成16年9月には生産台数が10万台を越え、経営難だったマツダは復活しました。

「マツダはなぜ、よみがえったのか?」の著者、宮本喜一氏は語る
宮本喜一氏はマツダ復活の要因を「スポーツカーを大衆車として販売する戦略」と「技術屋集団の現場力」の融合と表しています。いくら世界でオンリーワンの技術力があろうとも販売戦略、訴える力がなければ製品やサービスの魅力は伝わりません。フォード経営陣の世界販売戦略がマツダの技術を広めたのです。控え目、内向き、謙遜しがちないい面を持った日本人も、ビジネスではより誇大に人を惹きつけるプレゼンテーションも必要です。自社の製品やサービスを海外に拡大させるためにも、謙虚さから一歩踏み出してグローバル化の中に日本人らしさをかもし出しましょう。
「マツダはなぜ、よみがえったのか?」著者、宮本喜一氏

[2011.10.12]

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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
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