フラット35復活!/二重ローン問題「個人版私的整理ガイドライン」申請わずか6件
エコポイント、金利引下げ・・支援策、次々終了
住宅金融支援機構が民間の金融機関を通じて提供している、長期固定型の住宅ローン「フラット35S」は、今年12月までの申込み分まで金利を1%引下げる優遇措置が行われてきましたが、予想を上回る申込みに予算を消化、9月をもって終了しました。
国土交通省が9月30日に発表した「建築着工統計調査報告」によると、8月の新設住宅着工戸数は、81,986戸。前年同月比14%増と5ケ月連続前年同月を上回っています。マンションや一戸建て住宅など「分譲住宅」が同比31.2%増、18ヶ月連続増加と大きな後押しとなっています。フラット35Sなど金利優遇措置や住宅エコポイントなど一定の効果を上げた支援策は終了。次なる施策が待たれます。
フラット35利用者、1年で3倍に
国土交通省では、震災からの復興を後押しする必要があるとし、被災地については金利を1%引下げする優遇措置を年内に復活させる方針が明らかになりました。民間金融機関の住宅ローン圧迫の声への気使いか、優遇期間を10年から5年に短縮。被災地以外の地域では0.7%引下げとしています。
フラット35Sは、省エネ性やバリアフリーなどに優れた住宅購入者の金利を優遇するため当初10年間、金利1%の引下げを開始。住宅金融支援機構の「平成22年度フラット35利用者調査報告」では、平成22年度の利用者は115,257件と21年度の52,308件の約3倍と急増しています。
私的整理ガイドライン運営委員会:1ケ月で1,017件相談
フラット35Sは、被災地での1%引下げ継続に、被災者の新しい住宅支援策と期待がかかりますが、被災地沿岸部では高台移転の場所の問題や、流された家の二重ローン問題と課題は残ります。金利引下げやエコポイントが付与されても、既存ローンが残ったままでは、新しい住居の購入には気が重くのしかかります。
8月22日から二重ローン問題の相談窓口となっている「個人版私的整理ガイドライン運営委員会」によると、東京本部や被災地支部への相談件数は、9月22日までの1ケ月間で1,017件に上っています。このうち申請に至ったケースはわずか6件にとどまっています。被災者は、被災した状況がガイドラインの対象になるのか、第三者機関の運営委員会が紹介する弁護士などと慎重に協議をするケースも多く、東京本部では、「実際の申請件数が急増する様子はない」とみています。
私的整理申請率わずか0.6%
運営委員会では、実際には多くの対象者がいるとみており、周知を図るために被災地で説明会や相談会の回数を増やしていくとしていますが、わずか0.6%の申請率では、対象者を増やしても、既存ローン解消で新たな住宅ローンを組むには至りません。個人版私的整理ガイドラインは、被災者の早期生活再建を目的に策定されていることを充分認識し、柔軟な対応を願いたいですね。
被災者の中には「復興計画が具体化してから」と相談を先送りする姿も見られるなど、すでに震災から半年以上ほっぽかされた状況が続きます。本格的な復興予算を盛り込んだ第3次補正予算を早期成立し、二重ローン問題を解決し、安全な住居に新しい住宅ローンで地域再建を果たしたいですね。
▼関連サイト:オフィシャル「過去最高の申込み、住宅ローン「フラット35」
[2011.10.7]
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