関西電力:夏の「節電要請」終了、12月に再開?/冬の節電商戦早くもヒートアップ
関電管内「節電要請」終了/節電効果:目標15%に対して達成率は5%
秋分の日を過ぎ、周囲は一気に秋めいて参りました。「暑さ寒さも彼岸まで」とは言いますが、お彼岸と時を同じくして、節電の夏も終わりを迎えました。福島第1原発事故を受け、およそ3ヶ月間に渡って実施された関西電力の節電要請が9月22日に終了。同日の関電による記者会見では、管内の大口需要家と家庭における節電効果は約5%と発表されました。目標としていた15%には届かなかったものの、不安視された大規模停電は発生することはありませんでした。
冬場の電力懸念:「原発再稼動なければ12月半ばにも節電要請」
しかし、関電は「冬場も電力供給が予想される」として、再び節電要請に踏み切る可能性も示唆しています。また、夏場は電力需要のピークが昼過ぎから夕方とされていましたが、冬場はその時間帯も異なり「節電は夏より難しい」との見方もあります。 関電管内では、11月末から12月半ばにかけて3基の原子力発電所が定期検査に入るとのこと。これにより、およそ250万kW分の出力が失われるとされています。関電の八木誠社長は、記者会見において、現在定期検査中の原子力発電所が再稼動できなければ、12月半ばには再び節電が必要になるとの見通しを明らかにしています。
近鉄、阪急など:鉄道各社は自主節電
近畿日本鉄道や阪急電鉄など、近畿圏の鉄道会社も夏の節電対策を終了し、空調やエスカレーターの停止措置を終えています。ただし、各社とも「電力不足の懸念が解消できてはいない」との認識は共通している様子。駅構内や電車内の空調の調節、券売機の一部停止や電照広告の一部消灯といった対策は当面継続の方向です。
冬の節電商戦:石油ストーブ、機能性肌着など
今年の夏は「スーパークールビス」商戦が加熱を見せましたが、小売業界では既に冬の節電商戦に向け動きを見せています。
「衣料品のインフラ」とも呼べるユニクロは、おなじみ「ヒートテック」の販売目標を1億枚(前年比2割増)に据えたとのこと。スーパー大手のイトーヨーカドーは、9月上旬から冬用機能性肌着「ボディヒーター」のCMを展開。まだ真夏日も続くなか、テレビで「ぽかぽか」と言われても違和感を禁じえなかったものですが、販売の現場では7月から取り扱いを始めていたというので驚きます。
電力を消費するエアコンに代わるものとしては、ガスファンヒーターや石油ストーブなどの暖房機器の需要拡大も見込まれています。各メーカーでは例年比2~4割増との計画を立て、増産を急いでいます。また、東日本大震災後の停電や燃料不足もあって、薪ストーブなども見直されている様子です。
数年前から若い女性を中心に、「スローライフ」といった生活スタイルが流行してきましたが、節電と共にそれらは単なる「流行」から次代に受け継ぐべき「不易」になりつつあると実感しています。
[2011.9.29]
トラックバック(0)
このブログ記事を参照しているブログ一覧: 関西電力:夏の「節電要請」終了、12月に再開?/冬の節電商戦早くもヒートアップ
このブログ記事に対するトラックバックURL: http://www.h-yagi.jp/mt5/mt-tb.cgi/605
コメントする