経団連「経団連成長戦略2011」発表!政策提言/日本政府は非効率!IMD発表
経団連:自由化・国際化の流れに乗り遅れた!
日本経団連は9月16日、復興への取り組みを経済成長の力へと、国際的な立地競争力の強化を柱とした提言、「経団連成長戦略2011--民間活力の発揮による成長加速に向けて--」を発表。政府が年内にまとめる「日本再生戦略」に反映するよう働きかけるとしています。
日本経済はバブル崩壊から約20年、停滞が続くなか欧米は顕著に成長を続けアジア新興国では2桁の高い成長を見せる一方、日本の名目ベースのGDPは伸びを見せず、先進国の中でも最低水準となっています。その主因として日本経団連では、諸外国がグローバル化が進む中で日本が自由化、国際化の流れに乗り遅れたことを指摘しています。
スイス国際経営開発研究所「日本政府は非効率、経済の足を引っ張っている」
震災によるサプライチェーンの混乱が世界的な経済停滞の要因になったように、日本企業の国際競争力は、依然トップレベルにあります。急激な円高や電力不安定という状況の中でも企業努力で世界市場のトップシェアを維持する企業も多くあります。企業や個人一人ひとりが十二分に力を発揮し海外でより競争力が高められる環境さえ揃えば、各々の産業で多くの企業が世界シェアを奪う力は十分存在します。
日本経団連の提言ではスイスのIMD(International Institute for Management Development:国際経営開発研究所)の調査結果が引用されており,日本政府の非効率が民間の経済活動の足を引っ張っていることが指摘されています。政府の経済政策がグローバル化の流れに対応できず,企業の国際的な競争力の強さに結びついていないとしています。
国際経営開発研究所(スイス):1位米国・香港、19位中国、22位韓国、26位日本(9ランク▼)
IMDは、政府・企業の効率性や経済状況、インフラ建設の4項目を世界の主要国・地域の政府統計が2/3、実業界のアンケート調査が1/3の割合で組み合わせ毎年「世界競争力年鑑」を発表しています。「平成23年版IMD世界競争力年鑑」では、トップに米国と香港が同率で並び、シンガポール、スウェーデンと続き、中国は19位、韓国は22位で、日本は一昨年から9ランク落とし26位となっています。海外から見れば、Made in Japanは高品質で一部にはニーズがあるものの価格などでアジア諸国に劣り競争相手にならないという証にもなっています。
台湾:自由貿易で競争力世界6位に急浮上
ランクの中でも注視すべきは台湾で、圏外から6位に急浮上しています。台湾は昨年6月、中国とECFA(Economic Cooperation Framework Agreement:両岸経済協力枠組合意)、いわゆるFTA(自由貿易協定)を正式に締結。結果として輸出入が急激に発展し国際競争力向上でこの結果を生みました。
台湾:自由貿易に反対運動も、国民投票の結果は国民6割が「満足」
ECFAには台湾国内の農業や中小企業のダメージを懸念し、締結反対への署名や国民投票すべきなどの意見もありましたが、台湾政府がECFA発効後に実施した世論調査によると61.1%がECFAに「満足」と回答しています。ECFA発効によって経済成長率は10.88%、対外輸出は36.6%という数値は自由貿易というチャンスを生かし、急成長を遂げた事実に過ぎません。台湾はECFAでの発展を足がかりに国交のない日本や米国とのFTAに前向きのようです。
震災を理由に増税論議、豊かにしてから増税なら理解
先送りされる環太平洋9ケ国自由貿易化のTPP交渉参加の判断や法人税減税。政府は、所得が減る一方の中小企業やサラリーマンから、復興資金を財政難を理由に企業や国民から納税させようか懸命に思案中です。ここは考え方を変えて、企業や国民を豊かにさせてから、増税論議をすると考え方を変えてもらいたいのが納税者の本音です。
[2011.9.21]
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