貸金業者再び激減!被災者生活支援・二重ローン対策「個人版私的整理ガイドライン」が追い打ち
個人財産目録作成で過払い金発覚も
被災者の生活債権支援として二重ローン問題を解消する個人版私的整理ガイドラインによる相談受付が8月22日から始まりましたが、相談先となる東京本部や被災地5支部の個人版私的整理ガイドライン運営委員会には、1週間で約600件の被災者からの相談が寄せられました。
同委員会で対応する弁護士や公認会計士は、ガイドラインに基づき債務整理の手続きを進め申請者の財産目録などを作成しますが、申請者は面談で過去に消費者金融などに返済した取引なども再認識することもあり、消費者金融では過払い金が発覚するなど不安を募らせます。
過払い請求額1兆円超え:武富士経営破綻
過払い金は、申請者が消費者金融で借りている場合も、過去に完済した取引も対象となっています。過払い金は、金利が18%を超える額を貸金業者に返還できるもので、本来支払う必要のないお金を返還してもらえ、運営委員会の調査で発覚する場合があるようです。
昨年経営破綻した消費者金融大手の武富士には,今年5月時点で過払い金請求が90万7,787件あり、請求総額は1兆3,816億円に上りました。貸金業者にとっては、被災者の生活債権の支援が皮肉にも事業をさらに窮地においこむ可能性も高まります。
法廷金利の30~130倍で貸出す090金融
昨年6月の改正貸金業法の完全施行で、年収の1/3までの貸出しと制限する総量規制や、上限18%の金利規制に街からは貸金業者の看板は消え、代わりとなる090金融業者、いわゆるヤミ金が増えたのも事実です。昔ながらの厳しい取り立ては消え,やさしく相談を受けるなどソフトヤミ金が増え、法定利息の30~130倍で貸し出し、返済が滞ると客の様子をうかがい対応するなど、利用者にも被害者 意識が少なく被害状況が把握しにくくなっています。
日本貸金業協会では、悪質業者の検索サービスを行うとともに、個人版私的整理ガイドラインの運用が始まったことを受け、会員企業へ被災者の生活再建への観点から適切に対応するよう呼びかけています。
▼日本貸金業協会:悪質業者の検索
プロミス:中国で無担保事業ローン開始
過払い金の請求は、昨年9月の武富士破綻が大きく報道されて以来、消費者金融各社に申請が急増。今年4月には減少しつつあり、7月には前年同月から約20%減少しました。昨年6月の法改正によって消費者金融市場は規模粗縮小を続け、さらに毎月約100億円の過払い金の返還が続いています。先月26日には消費者金融準大手のSFコーポレーション(旧三和ファイナンス)が破産。過払い金返還や利用者激減が経営を圧迫しました。
国内での厳しいビジネス環境下、消費者金融大手のプロミスは昨年、中国本土に初進出。7ケ所に営業拠点を構え個人向け無担保融資を行っていましたが、年内にも事業向け 無担保ローンを初めて手がけるとありました。超円高で電力供給不足。消費者金融までもが海外進出とは産業空洞化が加速を見せます。
●関連記事:二重ローン対策!「個人版私的整理ガイドライン」8/22受付開始!ローン残債、買取りは誰か[2011.8.26配信]
[2011.9.14]
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