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超円高またもや中小企業が犠牲に!「値下げ要請、コスト削減限界」の悲鳴!

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円高半年続けば中小8割「減益」
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経済産業省は9月1日「現下の円高が産業に与える影響に関する調査」の結果を公表しました。歴史的な円高が長期化するなか、中小企業においてどのような影響を与え、政府に何を求めているのかなど中小製造・非製造業93社へ調査を実施。調査は各経済産業局を通じて現場の生の声を聴取しています。
調査結果では、現在の円高水準では7割の中小企業が減益になるとこたえ、この推移が半年続けば8割の企業が減益を予想していることがわかりました。中小企業が想定している為替レートは、1ドル80円~84円が55%と最も多く、85~89円が16%と80円台で7割を占める一方で、79円未満と予測する企業はわずか12%にとどまりました。財務相時代から円高対策を強化した野田新総理。待ったなしですよ。

資金繰り最悪の事態も!リスケ、猶予期間終了後・・・
中小企業は超円高が長期化することによって、「値下げ要請が厳しくなってきた」、「大手は部品の海外調達を急いでいる」、「コスト削減も限界」で窮地に追い込まれています。円高による減益の要因では65%の企業が「値下げ要請」、「海外企業との競争激化」と輸出産業の下請けとなる中小企業へのしわ寄せが迫る状況です。
政府は中小企業への金融支援として平成21年12月に中小企業金融円滑化法を施行。中小企業は金融機関へのリスケジュール(条件変更)で事業の再生、継続に向けた計画づくりの猶予を得ることができました。しかし震災や円高に加え、風評被害、電力供給不足など悪条件が重なり、新たな事業計画も進まず猶予期間を終え最悪の事態に陥る企業が増え始めています。

金融相再任:中小企業金融支援重視
東京商工リサーチによると、中小企業金融円滑化法を利用し猶予期間が与えられたものの、猶予後に倒産に至った企業は8月に15件となり、前年同月から2.5倍となりました。今年1月から8月までの累計では昨年1年間の1.7倍と増加しており、資金繰り支援策の効果が薄れ始めてきています。
野田新政権では自見金融相が再任となり、9月2日の会見では「資金繰りの現状を見ながら総合的に判断する」として中小企業金融円滑化法の再延長に含みを持たせています。金融庁では7月に金融機関が公的資金を活用しやすくできるよう金融機能強化法を改正。引き続き中小企業への金融支援が重視される見込みです。

野田首相:円安に各国協調介入
国のリーダーとなった野田総理は歴史的な円高に産業空洞化の危機感を指摘しており、9月2日の会見では「国内的に円高対策は待ったなし」と強調。追加の為替介入について各国と連携して対応する考えを示しました。中小企業対策では円高デフレのなかで中小企業の資金繰り対策を示し、円高の利点を生かした施策を講じて行くと協調しています。
ねじれ国会状態は続いていますが、自爆崩壊の前政権、国家緊急時の政局など、政治ごっこはもうコリゴリです。タイムリーでスピード感のある政策を実行してこそ、本当の与党たる風格が得られるのではないでしょうか? 

[2011.9.7]

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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
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