ムーディーズ:国債の格付引下げ、先進国で最下位「Aa3」⇒主な要因は「政治リスク」
ムーディーズ(MCO):「Aa2」から「Aa3」、先進国中最下位!
8月24日、スタンダード&プアーズ(S&P)と並ぶ米大手債権格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービス(MCO)が日本国債の格付けを「Aa2」(21段階で最上位から3番目)から「Aa3」に1段階引き下げたと発表しました。同社による日本国債の格下げは平成14年5月以来9年3ヶ月ぶりのことですが、日本国債については東日本大震災発生後、4月にスタンダード&プアーズ、5月にフィッチ・レーティングスが、見通しを共に「ネガティブ」に変更し、格付けを「AA-」としています。
「Aa3」という格付けは中国やチリと同位にあたりますが、主要7カ国(G7)では最低の格付けとなりました。ムーディーズで日本国債の格付けを担当するトーマス・バーン氏は記者会見において、日本国内の電力供給不足の懸念や法人実効税率の高さを指摘したうえで「国内投資環境が海外に比べ見劣りする」とコメント。「日本の産業空洞化が進む可能性がある」との認識も示しており、破竹の勢いを持つ中国に引き離されることも予想されます。
トーマス・バーン氏「経済と財政完結できる長期政権に」
トーマス・バーン氏は東日本大震災による景気回復の遅れやデフレの対策の遅れを厳しく指摘。さらに「過去5年にわたり頻繁に首相交代したことが、経済・財政戦略の一貫した政策の妨げとなってきた」と分析しています。
頻繁な首相交代が長期的な経済・財政運営をせず、その場限りの場渡り的な運営をしていることを非難されています。更にこの場に及んで、首相交代を迎せざるを得ない日本の政治。一貫した経済・財政のグランドデザインを示して、数年来の経済無策から抜け出して景気浮揚するのはいつの事になるやら。
野田財務大臣:国債の入札は円滑。国債の信任に揺らぎはない。とコメント
今回のムーディーズによる日本国債格付引き下げの発表を受けても、野田佳彦財務相は「最近の国債の入札は順調、円滑。わが国の国債に対する信任に揺らぎはない」とコメント、菅直人首相は「残念だね」と述べるに止まっているなど、あまり動揺は見られません。とはいえ、先のスタンダード&プアーズによる米国格下げ後の過剰な混乱とは行かないまでも、決して楽観できる状態でないことは明らかです。
今回のムーディーズによる日本国債格付引き下げの発表を受けても、野田佳彦財務相は「最近の国債の入札は順調、円滑。わが国の国債に対する信任に揺らぎはない」とコメント、菅直人首相は「残念だね」と述べるに止まっているなど、あまり動揺は見られません。とはいえ、先のスタンダード&プアーズによる米国格下げ後の過剰な混乱とは行かないまでも、決して楽観できる状態でないことは明らかです。
報道の取り扱いに疑問/島田伸介引退報道の怪?
ところがメディアは、格下げ前夜に緊急会見を開いて引退を発表した島田伸介氏の報道にかかりきりです。スポーツや経済のニュースの時間まで割いて、引退の会見を報じています。日本の芸能界で、大きな功績を残した島田氏の引退発表は、衝撃を受けました。不思議なことに10年以上前の出来事なのに、このタイミングで突然引退とはあまりにも不自然といわざる得ません。この直後にムーディーズ日本国債の格下げ発表がありました。予想される経済の混乱を回避するための人身御供(ひとみごくう)だったのではないか・・・と、ありもしない邪推をしてしまいます。
[2011.8.27]
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