変革する産業+消費者動向:ITとの融合で低コスト!効率よく顧客を固定化
経産省:IT融合で新産業を育成、システム輸出支援も
経済産業省は7月17日の産業構造審議会で医療・健康や農業、自動車・交通などの6分野でIT(情報技術)を活用した新たな産業を育成する行動計画をまとめました。8月中に各分野ごとにITとの融合を協議するフォーラムを設け、個別の技術のほかITを生かしたシステムづくりで新産業を育てるとしています。同省では、規制改革やシステムの輸出を支援するなど、海外での競争力も強化します。
農業では、長年の農家のノウハウを情報化し、LED(発光ダイオード)照明やセンサー技術などITと融合させ、効率よく付加価値のある農産物を栽培し、農業の輸出産業化に繋げるとしています。新産業には、発展を遂げるITは欠かせない時代です。
大量販促から、一人ひとりの消費需要対応へ
ITの飛躍的な進歩により小売り業など、不特定多数の顧客を対象にしてきたマスマーケティングから、顧客一人ひとりの購入履歴などを販促に利用する企業が増えています。急激なネット市場の拡大により消費者志向が多様化したことが背景にあります。
ネット市場は平成21年に6.6兆円と全国の百貨店の売上に並び、平成26年には12兆円に拡大されると言われています。ネットで購入すれば「誰が、いつ、何を」買ったかがデータとして蓄積されIT技術でシステム化すれば消費者動向が一目で把握でき、その志向を持つ消費者だけに合わせた販促が効率よく発信できます。
マクドナルド:志向異なる顧客ごとに割引クーポン配信
これまで企業では顧客の個人履歴の分析に、情報が膨大でコスト負担が高かったためなかなか進んでいませんでしたが、ITの進歩やシステムを共有するクラウドコンピューティングの普及で低コストで顧客の消費動向を把握できるようになりました。
スマートフォンの急成長でモバイル向けサービスは、消費者の欲求にスピードをもって対応することが競争力を強くし、顧客の固定化に繋げることができるます。競争の激しい外食産業では、マクドナルドがリピート客獲得に顧客情報を分析するシステムを構築し、モバイル会員向けに一律の割引クーポンでなく、顧客ごとに割引内容を変えたクーポンを配信し、来店効率を上げ、価格競争に対応しています。
IT活用のクラウドCRMで潜在顧客を固定客へ
新規の顧客を獲得するのに広告や販促など企業は大変苦労するものです。また、一度でも自社の製品やサービスにアクションしてきた顧客へ再度アプローチしなければ顧客固定化には繋がりません。
CRM(Customer Relationship Management)は、ITを応用し、顧客の詳細な情報をデータベース化し、顧客とのやり取りを全て管理し、顧客と長期的な関係を築くシステムです。顧客の需要にきめ細かく対応し収益率を上げることができます。CRM数年前には数千万円したシステムもクラウドコンピューティングの普及で低コストに導入できるようになりました。変革する産業に、消費者動向も多様化し、無駄なく効率よい顧客の固定化にITは活用されています。新しい産業でもITは活用され、国内外で競争力を高め市場を活性化させたいものです。
●関連記事:産業の変革:ライバルが手を組むIT産業・スマホ急伸、クラウド普及の需要とは[2011.6.11配信]
[2011.7.20]
トラックバック(0)
このブログ記事を参照しているブログ一覧: 変革する産業+消費者動向:ITとの融合で低コスト!効率よく顧客を固定化
このブログ記事に対するトラックバックURL: http://www.h-yagi.jp/mt5/mt-tb.cgi/518
コメントする